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『……』
「まさかあの2人の子だとは思ってなくてね」
「伝えるのが遅くなったね」と言われて、思わず涙が零れた。
泣いてばかりだ。最近。
『先代は、もう居ないの?』
「もう寿命で亡くなってしまったよ」
『そんな…なら、わたしは一体誰に…』
この泣きたい悔しいドス黒い気持ちをぶつければいいの?
思わず目の前が真っ黒になった。
ああ、パパママ。
ごめんね。
私、もっと早く動いてれば、もっともっと大きかったら、寿命なんかでヤツを死なせる必要なかったのに。
_もう、相手が居なきゃどうだっていいでしょ?
どうしたらいいの?
この先…わたし、スッキリしないよ。
ずっとずっとこんな気持ちやだ…やだよ…
『ご…っん…さい…』
「…」
『ごめ、んなさいッ。パパ、ママ、仕留めれないよぉ』
そう言った瞬間『わぁぁぁ、うわぁーん』と大声でわぁわぁ泣き出した。
すると隣にいるエリスが抱きしめて頭を撫でていた。
撫でられたAは人肌が恋しいようで、エリスに泣きじゃくって抱きついた。
「大丈夫。大丈夫っよ…」
『やだぁ、やだっ…ママっ、パパぁぁ、ヒクッ…ぅう』
「…」
森鴎外はAに触れようとしたが、また弾かれるのなら触れない方がいい…と考えて困っていた。
そりゃ泣いてる小さな子がいたら不審に思われても声をかけるに決まってる。
それに相手はあの2人の子。
噂になるほど強かった2人の娘。
「…」
「リンタロウ!リンタロウ!!」
「! な、なんだい?エリスちゃん?」
ふと、エリスはAを抱きしめながら彼を呼んだ。
呼ばれた森鴎外は目を丸くすると「抱きつかないの?」と聞いてきた。
「え…」
「なによ、リンタロウらしくないワ!いつもならするでしょ?」
「でも、その子に私は…」
無駄な死を増やしてしまったから、この子が傷ついた。
そう思うと触れる資格はあるか分からない。
それに、彼女が私を許してるなんておもえない。
「リンタロウが触れなきゃ、他に誰がAを知ってるの?」
「!」
「ワタシは覚えてないわ。ご両親をよく知ってるのはリンタロウでしょ?」
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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年11月24日 10時