検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:12,743 hit

24 ページ24

『……』
「まさかあの2人の子だとは思ってなくてね」


「伝えるのが遅くなったね」と言われて、思わず涙が零れた。
泣いてばかりだ。最近。


『先代は、もう居ないの?』
「もう寿命で亡くなってしまったよ」

『そんな…なら、わたしは一体誰に…』


この泣きたい悔しいドス黒い気持ちをぶつければいいの?


思わず目の前が真っ黒になった。

ああ、パパママ。
ごめんね。
私、もっと早く動いてれば、もっともっと大きかったら、寿命なんかでヤツを死なせる必要なかったのに。

_もう、相手が居なきゃどうだっていいでしょ?

どうしたらいいの?
この先…わたし、スッキリしないよ。
ずっとずっとこんな気持ちやだ…やだよ…


『ご…っん…さい…』
「…」

『ごめ、んなさいッ。パパ、ママ、仕留めれないよぉ』


そう言った瞬間『わぁぁぁ、うわぁーん』と大声でわぁわぁ泣き出した。
すると隣にいるエリスが抱きしめて頭を撫でていた。
撫でられたAは人肌が恋しいようで、エリスに泣きじゃくって抱きついた。


「大丈夫。大丈夫っよ…」
『やだぁ、やだっ…ママっ、パパぁぁ、ヒクッ…ぅう』

「…」


森鴎外はAに触れようとしたが、また弾かれるのなら触れない方がいい…と考えて困っていた。
そりゃ泣いてる小さな子がいたら不審に思われても声をかけるに決まってる。

それに相手はあの2人の子。
噂になるほど強かった2人の娘。


「…」
「リンタロウ!リンタロウ!!」

「! な、なんだい?エリスちゃん?」


ふと、エリスはAを抱きしめながら彼を呼んだ。
呼ばれた森鴎外は目を丸くすると「抱きつかないの?」と聞いてきた。


「え…」
「なによ、リンタロウらしくないワ!いつもならするでしょ?」

「でも、その子に私は…」


無駄な死を増やしてしまったから、この子が傷ついた。
そう思うと触れる資格はあるか分からない。
それに、彼女が私を許してるなんておもえない。


「リンタロウが触れなきゃ、他に誰がAを知ってるの?」
「!」

「ワタシは覚えてないわ。ご両親をよく知ってるのはリンタロウでしょ?」

25→←23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
107人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。