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『や、やだ…』


ぶわっ…と体が暑くなって、思わず顔を隠した。
かわいい…
真剣に言うエリスをバカには出来なくて、思わず意思が揺らいだ。
するとエリスは腕に軽く触れてきた。


「…顔、見せて?」
『やだっ』

「どうして?」

『は、恥ずかしいから…』


小さくそういうと、ゆっくりエリスは腕を外して行った。
そして顔が顕になるとエリスの顔が見えた。


「かわいいっ〜!」
『やだ!見ないでっ!エリスっ!』

「…ふふっ…」


コンコン…


私達がキャキャー叫んでいると、部屋内にノック音が聞こえた。
それが聞こえると尾崎が立ち上がってドアを開けた。


「なんじゃ?鴎外」
「いや、叫び声が聞こえて……ね……ぇ…」


ふと、ボスは私達の方を見た。
私達の視線もドアの方に向き、目が合うとすぐに逸らした。

エリスが私の上で馬乗りになってる。

この絵面だけでも問題だろうに、もっと問題児がそれを見つけてしまった。


「エ、エリスちゃん!?」

「もういいところだったのにッ!リンタロウのバカ!」
「ええぇ?ご、ごめんね?」


エリスは腕を手放してくれて、お腹の上に乗るのを辞めた。
そして手を貸してくれて、起こしてくれた。

少し赤くなった顔を冷やし、隠しながら…みんなの目線とは逆方向に向いた。


(こんな顔、見せれないっ…)


不覚にも、ときめいたなんて。
どうかしてる…。

熱が引いたら直ぐにみんなの方を見て睨んだ。


『…なに』
「いや、なんでもないよ。」


ボスはそう言って、尾崎に耳打ちされていた。
そして目を丸くして「本当かい?」と聞き返していた為、予想外のことを話していたのだろう。


「頼むぞ」
「嗚呼、少し怖いけどね。」

「A。私は抜けるぞ…そちの約束はきちんと守る。」


そう言ってボスと交代で尾崎が部屋から出て行った。
…約束…とは過去の話でしたものだろう。

隣でエリスが手を繋いできたからそうだろう。
するとボスは先程尾崎が座っていたところまで近づいて両手を上げた。


「今のところ、攻撃するつもりは無いよ」
『……あっそ』


私の返事を聞くと、ボスは手を下げて「私は森鴎外だ」と話してきた。
そして名前を聞かれたのでちゃんと返すと「よろしくねAちゃん」と笑顔で言われた。


(…どうして大人はすぐによろしくって言うんだ)


よろしくする気、ない癖に。。

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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

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