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バスが動き出すと、私の隣に男性が乗ってきた。
メガネをつけて少し小太りの男性。
気にしない振りをしていると「ねぇ」と声がかかってきた。
ガン無視していると、おじさんは私の肩を軽く叩こうとしているみたいで、直ぐにふりかえって笑顔を向けた。
『……なぁに?おじさん』
「゙1人で゙バスに、キミ1人で乗ってるの?」
『? 乗ってるよ?おつかいなんだ!』
またまたニコッ…と笑うと彼はニヤニヤわらって私の体を舐めまわすように見てきた。
嫌な気がピンピンとする。
(ヨコハマまではまだ先だし…)
うーん…と悩んでいると、男性は私の服をじーっと見つめた。
不思議に思って彼の方をむくと、目が合った。
「もしかして、キミ、孤児院から抜け出したの?」
『……』
「その服、ボロボロじゃん」
『もう、しーっ、だよ?』
認める。
そう言うと男性は意味が伝わったのか、ニンマリ笑って「ぼくが服を買ってあげるよ」と言ってくれた。
『ほんと?』
「へへへ、ホントだよ。君はどこに降りるつもりかなぁ?」
『ヨコハマ!ヨコハマは海が綺麗って聞いたんだ!』
海近くはマフィアの傘下_まぁ、縄張りだけどね。
ははっ…と心の中で乾いた声が漏れると、おじさんも一緒みたいだった。
(へぇー、そんなことあるんだ…)
少し珍しく思っていると、おじさんはヨコハマについて知ってるみたいで軽く話してくれた。
…情報も落としてくれる。
服も買ってくれる。
お金もくれるみたい。
(優しい人だなぁ)
思わずそう思い、初めは少し警戒していたがすぐに打ち解けた。
そして30分くらいするとアナウンスが聞こえた。
_ヨコハマ、次はヨコハマです。
ピンポーンと鳴らして、私とおじさんはそこに降りた。
「へへへ、じゃぁ、服から先ずは買おうか」
『うん!ありがとー!』
「ふへ、ふへへ」
『?』
(なんだろ…急に笑い出したりして…)
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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年11月24日 10時