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『だから、8年間鍛えてここに来た。』


私がそう言うと2人は黙り込んでしまった。
視線は落ちていて、私の気持ちが少し伝わったのか、悲しそうにしてくれて、少しだけ嬉しかった。


「ふむ…復讐が終わればどうするんじゃ?」
『もちろん警察に行く』

「!?」

『ここに来る前に人を1人殺しちゃった。
死体も、もうバレてるし…。
それに行くところも帰るところないから静かに少年院って所に行くつもり』


私がそう言うと尾崎は静かに何かを考えていた。
ふと、その瞬間ギューッと抱きしめられた。


『!?』

「辛かったわねっ
どうしてそう昨日言ってくれなかったのよ!」

『え?』


「言ってたら合わせてたのにっ」とエリスに泣き疲れてしまった。
…ど、どういうこと?
言ってたら合わせてくれた? 無いよきっと。
今は感情に振り回されてるだけだよ。

そんな想いを心の中で思い、エリスのハグを抱き締め返した。


『…ごめん。だって敵だもん』
「でも、でもっ〜、あまりにも不憫じゃないっ」


エリスはそう言ってくれた。
…私は本当は可哀想な子かもしれない。
でも、死んだ魚のような目はもうしてないし、殺すという希望もあるからどーなんだろう?


『だからその恨みを込めて殺しに行くの』

「っ…ダメよ。
だってそうしたら次どうやって生きて行くの?」


『?』


(次、どうやって、生きる?)


考えもしなかったことに、思わず動揺した。

次、生きる?わ、かんない…
だって、私が生きて帰れるなんて思ってるのかな?

マフィアに盾突いてるんだよ?

生きるって…そんな道ないから来たんだよ?


『…きっと死ぬから大丈夫』

「大丈夫なわけないわ!
仇を殺せたら本当にそれで言い訳!?」

『いいよ。だって誰も私の事知らないから』
「そんなっ……っ…」


すぐに答える私にエリスはだんだん言葉を失って行った。
思わず自分でも笑っちゃう。

目元が暑くなって視界が歪んだ。
だけど、そのくらい自分が哀れで浅はかで愚かなことだって分かってるよ。


「!」
「!…泣いてるの?」

『子供だもん。ダメなの??』

「だ、駄目じゃないわ!」

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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

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