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「まぁ、そんなことより調子はどうだい?」
ボスはそう言ってきた。
ふと、己の手のひらを見ると指などに絆創膏とかされていて、手当してくれたのだろう。
でも話したくない。
だって、コイツは私のパパとママを…殺したんだ。
『……』
「傷は染みてないかい?
中也くんが手を抜かなかったからね。ヒドい痛みだろう」
(確かに痛いけど…)
私の意思はコイツを殺すことしかない。
それ以外どーでもいい。
目を真っ暗にしてボスを睨みつけると「うーん…」と困ったような声を出していた。
すると奥から「ふふっ」と優しい女性の声がした。
「おやまぁ、随分嫌われておるのぉ…。」
「紅葉くん…」
「まぁここは女同士、私がでるとしようか」
そう言って、女性は私のベットのそばまで来た。
少しだけ女性を睨んだが、何もしてこなさそうだったので、一番危険な恨みのあるボスを睨み続けた。
「…おや、私は眼中に無いのか?」
『ある。でも、この男の方がキライ』
「ぐっ…」
ボスはどこか撃沈していて、帽子の男に「私って〜(泣)」と泣きついていた。
帽子の彼は死人のような顔をしてテキトーに返事をし始めた。
(…意味わかんない)
ポートマフィアのボスなんでしょ?
どうして帽子の彼に泣きついてるの?
思ってたのと違う。
だけど、この男がこの部屋で1番ヤバいのは感覚でわかる。
「あんな男ほっといて私と少しお話でもしないか?」
『……話すことなんて…』
「そう硬いこと言うな。あるじゃろ?
昨日エリスと約束したじゃろ?…忘れたのか?」
『……』
その言葉に思わず口を噤んだ。
…覚えてる。
そしてエリスもこの部屋にいて、女性の後ろに隠れてる。
過去を話すということは、即ち弱点を晒してるようなもの。
やだ。
それにコイツらに言いたくない…だって、だって、パパとママを殺した組織だもんっ。
『っ……』
「いい子じゃ。これ、男共」
「な、なんですか姐さん」
「話を聞くから部屋から出てくれ」
『!』
「ま、待ちたまえ紅葉くん。話は私達にも聞く権利が_」
「お主がおると話が進まん。さっさと行くのじゃ」
そう女性が言うと、帽子の彼がボスを誘って部屋から出て行った。
思わず目を丸くして固まった。
(こ、この女性の方が強いの…??)
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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年11月24日 10時