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中原にトン…と、押されただけでAは背後の壁に当たり、気絶したようで倒れ込んだ。
起き上がる気配はなく、エリスが近づいても目を覚まさなかった。


「ん、終わったみてぇだァ」
「大丈夫かしら?」
「あんだけ俺たち2人と互角にやれんだ。そうそう死にやしねぇよ」


そう言って眠ったAを持ち上げた。
その瞬間、ピクッ…と体が動き左手が中原の目の前に突きつけられた。


『…』


彼は驚いて目を見開いて止まると、Aは力なくナイフを落とした。


「………っ、コイツ、起きてねぇよな…」
「え、ええ…確かに寝たはずよ」

「…身を守る力はあるってことか…」


小さくそう呟いて、落ちたカバンを拾った。
横抱きにしてカバンを布団替わりにして、屋上の首領室まで持って行った。


「首領」
「リンタロウ、連れてきたわ」


そう言うとヨコハマの街を見下ろしていた彼が振り返った。
口元は薄く笑っており、気絶したAを見て「可愛い子だね」と小さく呟いた。


「…首領、真逆…」


そう言って中原が顔を歪めた瞬間、エリスは元気よく飛び出してボスの方に飛びついた。
ボスはエリスの頭を撫でて楽しそうに口を開けた。


「エリスちゃん!ぜひこの子にドレスを着せてあげようか!」
「ええ!きっと似合うワ!」

「…はぁ…」


中原は思わず苦笑いをうかべた。
そして腕の中を見ると、ポロポロと泣いてしまっているAが居た。
大粒の涙を漏らしてうめき声を1つもあげずに、静かに泣いている。


…あの殺気と言い、この子供らしくなさ。


(一体どうなってんだ?まだ10行くか行かねェくらいだろ?)


中原がボンヤリ考えていると「とりあえず、捕獲はしておこうか」と首領の声が聞こえて顔を上げた。
ただ直線上には首領は居ず、周りを見渡すと、隣の部屋の入口に立っていたみたいで、中原はそちらに向かって歩き出した。


「異能力はあるかい?」
「いえ、戦闘上では見当たりませんでした。」

「なら他の戦闘外だね…とりあえず、そこに繋げてしまおうか」


そう言って指したのは、ベットだった。
ベットの上には鎖と手錠の混ざったものがあり、この部屋に捉えるには丁度いいものだった。


「起きるかしら…?」
「うふふ、明日の朝になったら飛び起きるよ。」

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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

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