2話(訂正) ページ3
『……』
一体…どのくらい時間が経ったのだろう。
私の涙は簡単には止まらなかった。
廊下なので、他の人達は私を不審な目で見てきたがスルーして通り去っていた。
『ッ……ぅっ…』
「あの子、ずっと泣いてるわ」
「あの子ってもしかして、太宰幹部のお気に__」
「コラ!それは禁句よ」
(飴玉なんて…食べなきゃよかった……)
「…大丈夫か?」
ふと、聞きなれた声がした。
バッ!と顔を上げると見慣れた顔に私を心配する目だった。
『…ちゆ、やさ』
「! お前泣いて…」
そこに居たのは知り合いの中也さんが居た。
彼は驚いた顔をして、すぐに私の頭を撫でてくれた。
『ちゅ、やぁ…たすけッてッ。お願いッ』
中「ココはとにかくまずいな。ひとまず姐さんの部屋に行くぞ」
ふと、そう言って彼は私を横抱きした。
地面から体が離れて体重が全て中也さんに持たれた。
私は落ちないか少し不安になり彼の裾を引っ張った。
中「何も言うなよ。ってか、見んなよ」
『……うっ…ん…』
ふと、彼はそう言って私を見ないようにして歩き出した。
__きっと私の涙を見ないように心かげてくれたのかな。
〜〜〜
〜〜
〜
そして、私たちは尾崎幹部の部屋にやってきた。
部屋に入ると彼女は此方を見て驚いていた。
中「姐さんすまねぇ。
Aが泣き止まねぇんだ。落ち着かせてくれねぇか?」
尾「!? な、泣いておるのか?」
『っ…ぅっ…やめてッ……ょッ』
心に変な優しさがあるのが気持ち悪い。
でも、それを言葉にできるほど私は冷静じゃなかった。
尾「…中也、此方じゃ」
彼女は私の涙を見るとすぐに何かを察してくれて、部屋の奥に入れてくれた。
そして私たちは奥の部屋に入り、ベットの上に寝転ばされた。
『ッ…』
中「大丈夫だ。何かあったのか?」
『うっ…ッ』
中「"また"太宰に泣かされたか?」
尾「…」
彼は私の隣に来て、優しく頭を撫でてくれた。
泣くことしか出来なかった私は、静かに甘えることしかできない。
中「寝るか?沢山泣いて寝むてェだろ」
『っ…どこにも行かないで…』
私は怖くなって彼の服の裾を掴んだ。
そしたら少し安心した。
でも、中也さんは目線を反らして気まずそうにし始めた。
尾「おやおや」
中「い、居てやるから。さっさと寝ろ」
『んッ…その、手を…ついでほしい』
中「………チッ…」
ふと、乱暴に手を繋いでくれたけど顔は見せてくれなかった。
安心すると、簡単に眠りに落ちた。
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2020年11月7日 19時