【愛され】１つの飴で、あり得ないことが起こった【文スト】【黒の時代】 (ページ14)

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１１話(訂正) ページ14

『ごめんね。エリスちゃん…立てる？』
エ「ええ、大丈夫よ」

そう言ってエリスは立ち上がった。
軽く首元に触れていて、傷がついてないか少し不安がっているようだった。
私は鏡を渡して『ごめんね』と小さく口を開けた。
エリスは受け取って鏡を覗いている中、私は振り返ってむっ…と眉を寄せた。

『コラ、メイ？刃物は当てちゃダメでしょ？
ごめんなさいは？』

私はメイに向けて怒った。
初対面の子に脅しをかけるなんて、もっての外。
するとバツそうな顔をしてちゃんと謝った。

メイ「ごめん、なさい。でも貴方は信頼できない」
エ「ふん、別にいいわ」

(うーん、仲悪い…)

メイの対応が悪い。
それにエリスも少し怒ってしまったようだ。

…仕方ない。
昔から人との付き合いに難ありの子だから、変えてあげたいけど無理なんだよね。

エリスと目線を合わせて私はもう一度謝った。

『ごめんね。
メイはまだ他の子の接した方が分からないだけなの』

エ「まぁ…そういう事なら許してあげるわ」

私の言葉にメイは納得してないようで険しい顔をしていたが何とか抑えてエリスに話を振った。
彼女は親御さん(と言うと変な顔をするけど)の【リンタロウ】と言う人とはぐれてしまっているらしい。

エ「急に居なくなって迷子になったのよ！」

ぷんぶん！と頬をふくらませて怒っていた。
…結構ワガママっ子？
なんて思いながら、私はエリスに向けて少し微笑んだ。

『お詫びとして一緒にその人、見つけようか』

メイ「！？ちょっと！」
『まぁまぁ"どんな子"でも女のコが1人で夜を彷徨くのは危ないからね』

そう言うとメイはゲッ…としながら「…Aがそういうのなら…」と言って許してくれた。
本当に良い子だ。

そして、私はエリスとメイの間に入って手を繋いで街に出た。
【リンタロウ】は「白衣を着た人」とエリスは言っているのでそれを目印に彼を探した。

『リンタロウさーん？』

エ「ふふっ」
メイ「ﾁｯ……」