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昨日、草薙とベッドの上で愛を確かめ合った後、気だるさの残る身体を抱き寄せ合いながら甘い時間を過ごしてた時。
ふと見せた草薙の表情がやや曇っていた。その頬に手を添え、問うが苦笑のみ返ってくる程度。隠されるとより追及したくなるのが人間の本能、とばかりに言及すると、観念した草薙がぽつりと言葉を漏らした。
「………鷹司のこと、仲間に……するんやろ？」
窺うように覗き込んでくる瞳には不安が色濃く存在して。俺は草薙の柔らかなブラウンの髪の毛を優しく撫でながら小さく頷く。
「………出雲も調べたんだろ？アイツのこと。……最初は仕事の為に俺の力を利用しようとしてるのかと思ったけど、何か純粋に俺を慕ってるっぽいんだよな。」
「……大財閥の御曹司にして、ここんとこ飛び抜けて成長してきとるマーケティング企業の代表取締役。一代で築き上げ、今じゃマーケティング業界を牛耳る勢いらしいな。んな男がどないしてAのこと知ったんか。」
俺は草薙の額にキスを落とすと、その不安で曇ってしまった瞳を覗き込む。瞳から伝わる不安に俺の胸までもきゅうと締め付けられる。
「……まぁ、よくわかんねぇけど……でも、正直なところ直感では感じていたんだ。薫が黒のクランズマンになるって。」
「………そう、なんか……。」
すると草薙は次の言葉を言い出そうと口を開いたものの、気まずそうに視線を逸らすとそのまま口も閉じてしまった。草薙が、何を言いたいのか、俺は分かっている。そして、それを俺自身も望んでいる。だからこそ、俺は草薙からその言葉が聞きたかった。
「……ね、出雲。言ってよ。………お願い。」
ゆっくりと、確認するように戻ってきた視線に、俺は微笑みを返す。促すようにそのまま頷くと、草薙ははぁ、と小さく息を吐き出し、吸い込んだ。
「………俺にも黒の力を与えてほしい。……鷹司より先に。」
意を決した表情の草薙に抱き付きながら、俺はそっと耳元に口を寄せる。
「ありがとう。俺も同じことを願っていたんだ。」
そう言葉を返すとそのまま草薙の目を覆うように掌を被せ、額にキスをした。黒の力は脳へダイレクトに届けられる。その力とは脳のリミッターをコントロールする力が与えられ、多くの情報を一度に得てはその情報を操作・制限することが出来るのだ。サンクトゥムから解放された草薙が安心したのか大きなため息を漏らす。それに俺も笑顔を返して。
また一つ。二人の絆が紡がれた瞬間だった。
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お花 - 私はこのお話、設定好きです！続きを楽しみに待ってます!!! (2020年5月21日 23時) (
レス) id: 069fe02916 (このIDを非表示/違反報告)
ライアードール(プロフ) - 続きがはよ見たいです(ﾉｼ 'ω')ﾉｼ ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ 応援してますyo!! (2018年7月10日 20時) (レス) id: 0368b34717 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - 更新ありがとうございます！！とても嬉しい...；；；； (2017年1月9日 13時) (レス) id: ddbfe0e170 (このIDを非表示/違反報告)
しもふ(プロフ) - とても面白いです。更新楽しみにしてます。((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (2017年1月5日 17時) (レス) id: eb237e3a38 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮尋人(プロフ) - ありがとうございます (2016年11月27日 17時) (レス) id: dac91556fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAO | 作成日時：2016年11月21日 23時
