最初の嘘 ページ3
この世界には3つの種族がいる
人間 吸血鬼 狼人間
人間は一番数が多く、
武器を使って生き延びてきたずる賢い種族
吸血鬼は種族の30%で人間よりも強い
食料も、もちろん血だ
人間が恐れている種族でもある。
そして狼人間
彼らは唯一吸血鬼と同等の強さを持った種族だが数は最も少ない種族だ
僕は物心ついた時から一人だった。
お母さんもお父さんもいなくて寂しかったんだ…
家だって村から少し外れてるし…
だから、嘘をついた
『狼が出たよっ!!』
「ほんまかっ!?」
「アカン…銃もってこいっ！」
「Aどこにいたんや!?」
『ンフフw……嘘だよ♪』
「はぁぁー？」
「ふざけんなし…」
「もう二度とせんでくれ」
嫌だよ…だってこうでもしないと皆こっち見てくれないじゃん
…嘘をつかないでいい事をしたほうが良いだろって？
…したよ、そんなのとっくに
誰も見てくれなかった…褒めてくれなかった…
だから…今こんなことをしてるんだよ
誰か…こっちを見てよ……
そうやって僕は嘘を吐き続けてきた。
ある日の朝
『今日は霧が濃いなぁ…ん？何だこの匂い…』
外に出ると獣の強い匂いがした
『これは…もしかして…』
グルルルゥ……
…やばい……狼だ…皆に…伝えなくちゃ…
『お、狼がぁ！狼が出たぞっ!!』
「ほ〜ん今忙しいねんあっち行ってくれや」
『ねぇっ!?狼が出たんだよっ!!早く逃げなくちゃ……』
「ちょっと黙ってくれへん？」
「今日は一段と名演技やな〜」
『っ!?ホントなのに……もう皆知らないっ!!!』
早く安全な場所へ…そう思いながら走った
なんで信じてくれなかったの？…ああ僕のせいか
でも皆が僕をこうさせたんだよ？
気づくとみんなの叫び声が聞こえてきた。
はっ…として村に戻る……
柵は破られ羊達は無残な死に方をしていた…。
『…っ……みんな？どこ？』
広場に行くと皆が血だらけの姿で倒れていた…
『うそ…でしょ……？』
僕のせいで…村が…皆が……
気づくと僕は狼達に食べられていた
痛い…痛いよぉ…ごめん…みんなの方が痛かったよね…
じゃあ我慢しなくちゃ…僕は泣いちゃいけない…
神様…もし次があるのならお願い…もう嘘はつかないから…もう一度皆を…皆との日々を返して…
お願い…神様……ウソじゃないから……
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作者名：天ノ命 | 作成日時：2019年6月20日 19時
