ムラサキ__《N.Ren》 (ページ39)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:68,585 hit

ムラサキ__39 ページ39

your side

永瀬くんは、突然電話したにも関わらず

私に会いに来てくれた。

走ってきてくれた彼は、
王子様にしか見えなくて。

思わず、駆け寄って
抱きついてしまった。

いけないって分かってる、
付き合ってる人がいるのに他の人に抱きつくなんて、

今まで、こんな悪いことしたことなかったのに。

言葉では上手く伝えられないのに
私の体は勝手に動いていて。

「………逃げたい」

彼の優しさに、また甘えようとしてしまう。

「………どこでも、連れてくで」

やっぱり、優しかった。

永瀬くんの背中に身を寄せて
自転車の後ろに乗って、海に来た。

海を眺めていると、私、
この向こうへ来週行くんだって改めて思って。

心が一気に苦しくなっていた時
急に腕を引っ張られて、
気づいたら、また永瀬くんの腕の中にいた。

「……私、来週海外に連れていかれるみたいなんだ」

私は永瀬くんに伝えた。

永瀬くんは、やっぱり、って顔をした。
もしかして、もう学校で噂になっていたのだろうか。

でも、それだけじゃない。
伝えたいことは、それだけじゃない。

「もう、永瀬くんと会えなくなるのかなって思ったら、なんか凄く凄く嫌で、それで、家飛び出しちゃって、」

伝えなきゃ、伝えなきゃ。

私の素直な気持ちを伝えなきゃ。

「とにかく、会いたかった、会いたかったの」

私は精一杯、自分の言葉を並べた。

それを聞いて永瀬くんは

「俺はここにおるし今会ってるやろ。そんな可愛いことばっか言わんでや。」

そう言って、私を軽く叩いてあしらう。

「だって本当に……」

伝わってないのかと焦って言い返そうとした私は
突然言葉を遮られ、言葉を続けられなかった。

「んッ……………え、っ、え…？」

唇に触れる感触。
目の前にある、永瀬くんの顔。

何が起きているかわからず焦る私に

永瀬くんは、またキスをしてきた。

ーーーーーーーーーーーーーーー

続き書くモチベ欲しいので
ぜひ下の星を押して、殿堂入りさせてくださいお願いします