100と40 ページ45
[青峰 side]
富「それで、あの子『そんなこと
あるわけない』ってムキになって、
貴方のプレーを見てたそうよ」
富樫はオレの顔を見ながらイタズラ
っぽく笑う
富「最初は腹立ち半分だったらしいんだけど、見てるうちに思っちゃったらしいわ『この選手の活躍がもっと見たい』って」
お手柄ね。と言いながら富樫はオレに小さく拍手を送った
富「まぁ、それでも死のうとして飛び下りる寸前までいったらしいんだけど、貴方の言ってた『生きて償う』っていう言葉が頭から離れなくて止めたらしいわ。貴方の言うことなら正しく思えたんですって、例えそれがドラマのセリフでも」
青「なんか、信じらんねーな。んな事で頑固なアイツが自分で決めた事を曲げるとか、しかもオレ言った記憶ねーし」
富「‘そんな事’って言うけど、私は貴方の言ったことは正しいと思うわよ。だからあの子を止められたんだし、貴方のバスケを見に行くようになってから、あの子の笑顔も増えたしね」
やっぱ信じらんね……何気無い言葉が誰かを救う事もあるって事か?
富「まぁ『生きて償う』っていう意味があの子の場合ちょっと違ってたのが残念な所ね」
イスに深く座りながら富樫は小さくため息をついた
青「違う?」
富「あの子は、自分と春ちゃんの分の人生を背負って生きていく事が償いになると考えてるわ。二人分生きようとしてるから、何事にも全力で取り組むし…だからあの子何でもできるでしょ?でもね……」
青「でも、なんだよ」
富「Aは自分の事を大事にしない所があるわ。あれでは二人分生きるというより、自分を消して、代わりに春ちゃんの分を生きてるようにしか見えない」
自分を消して。富樫のその言葉が、オレの胸に刺さる
アイツはそうやって生きてきたのか。人の命なんて重たいモン背負って、他人に頼らないように、自分が幸せになんねーように、あくまでも、自分はダチが残した分の生涯を過ごすための存在であろうとしてる
青「んなのおかしいだろ」
自然と握りしめる拳。出来るならアイツをどうにか助けてやりたい。でも……今のオレにはそんなことできねー
オレと富樫が黙っていると、さっきオレをここへ連れてきた男の一人が慌てた様子でやってきて、何かを富樫に耳打ちした。それを聞いた富樫は目を開いてオレに言った
富「Aが…階段から落ちて病院へ運ばれた」
一瞬だけ時間が止まったように感じた
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あんこ(プロフ) - ゔぅー。本当にヒドイ更新具合ですね……頑張ります(T-T) (2015年3月20日 21時) (レス) id: 2b1cf20e49 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 更新頑張ってください! (2015年3月19日 16時) (レス) id: 230e8534c7 (このIDを非表示/違反報告)
ライネ - この小説おもろいです!更新ガンバです。 (2015年3月17日 20時) (レス) id: cc2ae5f13f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みいさん» ありがとうございます!なかなか更新できなくて申し訳ないです…頑張ります!! (2015年2月26日 13時) (レス) id: 2b1cf20e49 (このIDを非表示/違反報告)
みい - 全部 見ましたッ!更新頑張ってください (2015年2月23日 0時) (レス) id: d81b228a30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2013年10月10日 0時