100と30と5つめ ページ40
[青峰side]
Aの過去
もう関わらねぇって決めたのに、
知りてーって思っちまう
すげー矛盾してる
青「(諦めきれてねぇ証拠だな)」
オレが女々しい自分にイラつきを覚えていると、富樫が問いかけてきた
富「あの子が雷駄目なことは知ってる?」
青「あぁ」
富「その理由は?」
オレは黙って首を横に振る
富「…あの子が雷駄目なのはね、あの子の友達が雷に打たれて、亡くなったからなの」
青「!」
雷……
富「その友達、春ちゃんって言うんだけど、Aととっても仲がよくてね、私は二人とは学校が違ったんだけど、Aの家に遊びに行ったら大体春ちゃんも居たから、何回か一緒に遊んだわ」
富樫が懐かしそうに目を細める
富「本当に仲良しだった…」
富樫はテーブルを見つめながら、一旦間をおいた
富「でも、小学三年生の今頃に、春ちゃんが引っ越すことになったんだけど、その1週間くらい前だったかな、Aったら春ちゃんとケンカしちゃったのよ」
青「ケンカ?なんで」
富「『春ちゃんが急に何処かに行くなんて勝手すぎる』ってAが駄々こねたらしいわ。ケンカっていうよりは、あの子が一方的に拗ねただけかもね」
オレの顔を見た富樫がクスリと笑う
富「意外?」
青「まーな。友達が引っ越すってなったら、嫌でも我慢して笑顔で送り出しそうじゃん。アイツ」
富「そうそう。強がりで頑固者で、年齢よりも精神年齢上だったし……だから私もあの子がその事で愚痴を言うのを聞いて、ビックリしたわ」
「あの時だけね。私に相談してきたの」と仏頂面になる富樫。コイツもさつきと同じで、Aに頼られないのが不満らしい。
富「他人に言うくらい拗ねてたんだけど、やっぱりケンカ別れするのは嫌だって事で、引っ越す前日にあの子が春ちゃんを呼び出したの」
次第に声のトーンが低くなる
富「11月2日の夕暮れ時。丁度7年前の今頃ね。もっと早く電話すれば良かったのに、あの子が愚図ってたから夕方になっちゃって、走って出て行ったはいいけど、雨が降って来ちゃってね」
雨の中を全力で走るAの姿が思い浮かんだ
富「雷が鳴ってきた頃に、待ち合わせてた丘に着いて、春ちゃんはその丘に一本だけある木の側に立ってて…」
青「立ってたって…?アイツが来た時には生きてたってことか?!」
唇を固く結びながら富樫はゆっくり頷いた。
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あんこ(プロフ) - ゔぅー。本当にヒドイ更新具合ですね……頑張ります(T-T) (2015年3月20日 21時) (レス) id: 2b1cf20e49 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 更新頑張ってください! (2015年3月19日 16時) (レス) id: 230e8534c7 (このIDを非表示/違反報告)
ライネ - この小説おもろいです!更新ガンバです。 (2015年3月17日 20時) (レス) id: cc2ae5f13f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みいさん» ありがとうございます!なかなか更新できなくて申し訳ないです…頑張ります!! (2015年2月26日 13時) (レス) id: 2b1cf20e49 (このIDを非表示/違反報告)
みい - 全部 見ましたッ!更新頑張ってください (2015年2月23日 0時) (レス) id: d81b228a30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんこ | 作成日時:2013年10月10日 0時