Who is loser? ページ14
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「スネイプ教授、どこに行かれるんですか？」
ふっと動いた影が扉の前で腕を広げる。その顔に普段の薄っぺらな笑みはなく、柊色をした瞳の奥には炎が宿っていた。
いや、炎よりもっと強烈で、もっと恐ろしいものが渦巻いていた。
「…我が君に呼ばれている。」
「あなたひとりで？」
「ああ。」
「馬鹿正直に向かうんですか？」
「ああ。」
その不気味なものが激しさを増す。
「ゆるさないよ、そんなの。」
彼の言葉と同時に襲い来る頭痛。胸元の石が放つ光が揺めき、思わずそれを握り締めた。
＿そういえば、この石はなんだっただろうか。何故こんなに大切に持っているのだろう。リリーからの贈り物、それにしては、彼女がこれを贈る理由が見当たらない。
「君がそんなにバカだとは思わなかった。
もう塔も崩れたし、後がないんだよ、僕は。」
たいせつな人から、渡されたもの。それは間違いない。
「…でも、ああ、僕は盲いているから。なにが正しいかわからない。
馬鹿な君でも、生きていてほしい。」
赤毛の彼女
否、赤毛の彼
緑の瞳
ちがう、柊色だ
「おねがい、セブルス」
＿＿＿＿「ありがとう、セブルス」
「フィー、ネ。お前は、いや、お前、が…。」
「…なんだ、思い出してしまったの。」
見開かれた目こそ、焦がれ求めたそれだった。
「じゃあ、僕が人生潰してやってきたこれの意味も分かるでしょう？
君は生きなきゃいけない。君は死んじゃいけない。君は、しあわせじゃないと。」
半ば呪いのような言葉に息が詰まる。それでも今さら戻れはしない。すっかり笑みも激しさもなくなった彼は、あの夜のような、今にも訳のわからない言い訳を始めそうな顔をしていた。
「NO,…我輩はそれほど、価値のある人間ではない。」
「NO,それは群衆の意見だ、僕が君を大切か否かさ。」
「NO,たまたまあのとき君を止めただけで、確率論だ。」
「NO,確率の及ばない必然的な偶然なら決定論だよ。」
「NO,そう思いたがっているだけだ。いつまで、こんな男に囚われるつもりでいる？」
「always.」
淀みのない声はそう言い、彼は私を抱き締める。他人と触れ合うのはほんとうに久し振りだった。体は不気味なほど細く、…少食だからという訳ではないことくらい、流石に分かっていた。
放った魔法が、彼の意識を奪い去る。
「う、そ。や、っ、せぶ る す………。」
数秒の後、力なく眠りに落ちた。
「…しあわせに、A。」
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アホ毛50% - ぱんださん» ありがとうございます！私もたくさん考えて書いたので、そう感じていただけたなら幸いです！ (2017年8月12日 17時) (
レス) id: 14b4ba423b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます…！すごい考えさせられました…！なんかもう今感動と切なさと諸々の感情が溢れそうです。幸多かれ…本当もうその通りというか…。素敵な作品をありがとうございました…！少し寂しさもありますが、でもやっぱり完結おめでとうございます！！ (2017年8月12日 16時) (レス) id: 84a45bb0eb (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - しぇるふぃあ。@永遠のオットーフィーバーさん» ああ〜〜〜〜！うそほんとに嬉しいです…！拙い作品ではありますが精進しますほんとありがとうございます…！ (2017年7月22日 16時) (レス) id: 14b4ba423b (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。@永遠のオットーフィーバー - ずっと鳥肌立ってます…ハリポタの新作ありがとうございます、更新ひっそりと楽しみにしています！ (2017年7月21日 22時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
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