story181 side:you ページ38
賑わう街の最近の話題は専ら【ディビジョンラップバトル】について。
決勝に進むチームもだんだんと決まってきており、人々はここのチームが優勝するだのテリトリーはどうなるだのそんなことを噂していた。
私にとってはラップバトルより私の色恋沙汰の方が一大事なんだけど…
二郎に告白されて2週間ほどたって一郎は「一緒に風呂入るか?」なんて台詞を恥ずかしがらずに言うし、二郎は弁当作ってなんて頼んでくるから理由を聞いたら「好きな女の手料理は食べたい」とか言ってくるし山田家で無事に生活するには心臓が足りなすぎる。
そんな時、連絡をくれたのは珍しい人だった。
『幻太郎!お久しぶりですね!お元気でし…
あれ、寝てる?』
本屋事件以来個人的に数回会っていた幻太郎だったけど幻太郎といると…何かいつも狐に巻かれているような感じで不思議な気持ちになる。
幻太郎は「小生はあなたのこと好きですよ」とか「あなたにそんな悲しそうな顔させる男がいるんですか。そんな男やめて小生にしたらどうです?」だとかそんな言葉を当たり前のように言うから__多分そうやってからかわれた私の反応を見るのを楽しんでいるんだろうけど__
流石の小説家の幻太郎の言葉運びに私はただ旋律上で踊らされているような気がしてもどかしい気持ちになるのだ。
でもそれでも幻太郎は私の気持ちをとても繊細に理解してくれて良きアドバイザーであり、良き人生の先輩だ。
で、花霞を待ち合わせに指定されたそんな大作家先生はただいま原稿用紙の上で爆睡中。
幻太郎の前に座った私はその綺麗なお顔をじっと見つめる。
…ほんとに睫毛長いな、この人
というか幻太郎っていつもすごくいい匂いがするんだけどこの香りはなんなんだろう。
…沈丁花みたいな…優しい匂い…
幻太郎「…小生は…まだ寝ているんですか?」
『あっ起きましたか?幻太郎。おはようございます』
幻太郎「…返事をするってことはもう夢の中じゃないんですね」
…寝ぼけてる?
『夢を見ていたんですか?』
幻太郎「星を…壊しに行ったんです。貴女と」
『星?』
幻太郎「…半分が水晶、半分が砂で出来た星を貴女と粉々にしようと企んで実際に空を飛んで』
『なぜですか?』
幻太郎「ふふ…その星は小生と貴女を不幸にするんです…」
『…幻太郎、まだ夢の中にいるんじゃないですか?』
幻太郎「それなら良いですね。
だってそれなら夢でも現実でもAと一緒にいられるから…」
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lotus_r(プロフ) - 華月さん» うわぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!なるべく更新送れないようにしていきたいです(泣) (2021年12月25日 16時) (レス) @page31 id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
華月 - いつも見てます(*^^*) 無理のなさらないように頑張って更新してください! (2021年12月24日 13時) (レス) id: e87e41df15 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - 柃。さん» コメント返信遅くなり申し訳ありませんでした!作者です!この作品ももっと更新頻度上げていきたいと思います! (2021年8月28日 1時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
柃。(プロフ) - 夢主ちゃんのもはや芸になってる鈍感が見ててもどかしいんですけど面白いです!これからも更新頑張ってくださいね^ - ^ (2021年8月16日 0時) (レス) id: 70c717cb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年5月4日 2時