story148 ページ4
一郎「もしもし、A?今どこまで来た?」
『あ、一郎。今ね丁度萬屋山田の前に…あ!』
イケブクロにタクシーまで来た私は運転手さんに一郎からかかってきた電話に対応しながらお金を払っていた。
萬屋山田に着いた、と言おうとしたところでその扉がゆっくり開いて一郎が出てきた。
私の『あ、』という短い声に一郎も気づいたようでニコッと笑って私に手を振った。
『一郎!久しぶり!』
一郎「おう!A、待ってたぜ!」
一郎はそう言うとすかさず階段を降りてきて私の少ない荷物を持ってくれた。
『このくらいの荷物なら持てるよ。生活に必要なものはここに送られてくるようにしたんだけど…大丈夫だった?』
一郎「もちろんだぜ。いいからいいから。怪我人なんだから無理すんな。俺が持つよ」
『でも、』
私の言葉に耳も貸さずヒョイっと鞄を腕にかける年下の青年が好青年すぎて辛い…なんでこんなにいい子なのこの子…
一郎「アイツらもAのこと、待ってたんだぜ」
『アイツら…二郎と三郎!?』
一郎「そう。…あ、階段」
階段の前まで来たところで一郎が顔を曇らせながら私の包帯で巻かれた足を見る。
『ゆっくり行けばだいじょ』
一郎「しょっと」
『え、』
私の言葉が途切れた理由。
それは体がふわりと宙に浮いたからだった。
足が地面から離れて体が仰向けのようになる。
その体を支えるのは一郎の筋肉質な腕。
そう、つまり私は今一郎に横抱き、所謂「お姫様抱っこ」されていた。
『い、一郎!』
一郎「あ、悪ぃ。咄嗟にこんなことしちまったけど嫌だったか?だけどA、嫌でも我慢して欲しい。この階段をお前に大変な思いさせながら登らせたくねぇからさ」
『嫌ではないんだけど…一郎が大変でしょ!?』
一郎「全然。好きな女抱くのに嫌なわけあるかって」
『え?』
一郎「あ、今の聞かなかったことにしてくれ」
ははは、と上機嫌にはにかむ一郎。
え、何。今の何!!!
一郎!年上の女からかうんじゃありません!
あっという間に建物の入口について、その扉を開ける。
ガチャ_____
「「A!!!」」
扉を開けた瞬間、大きな声が耳を劈く。
『二郎、三郎…』
突然の大声に思わずつぶってしまった目を開くとそこには子犬のように息を切らせた二郎と三郎が立っていた。
二郎「いらっしゃい!俺、待ってたよ!」
三郎「A、ようこそ!1ヶ月間頼むね!」
『も〜、三郎何言ってるの?よろしく頼むのは私だよ?』
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lotus_r(プロフ) - 華月さん» うわぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!なるべく更新送れないようにしていきたいです(泣) (2021年12月25日 16時) (レス) @page31 id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
華月 - いつも見てます(*^^*) 無理のなさらないように頑張って更新してください! (2021年12月24日 13時) (レス) id: e87e41df15 (このIDを非表示/違反報告)
lotus_r(プロフ) - 柃。さん» コメント返信遅くなり申し訳ありませんでした!作者です!この作品ももっと更新頻度上げていきたいと思います! (2021年8月28日 1時) (レス) id: 37f79c4fa9 (このIDを非表示/違反報告)
柃。(プロフ) - 夢主ちゃんのもはや芸になってる鈍感が見ててもどかしいんですけど面白いです!これからも更新頑張ってくださいね^ - ^ (2021年8月16日 0時) (レス) id: 70c717cb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年5月4日 2時