【ヒプマイ】月が満ちる時に。4

story168 ページ24

｢えへへ〜そうでしょ〜

帝統もこの前褒めてくれたんだ〜！｣


『お姉様方にも人気でしょ？』


｢ん？お姉様方？｣


『何恍けてんの〜

乱数がいつも遊んでる女の子達だよ』


｢ん？あぁ、そんなことないよ。

と言うよりわかんないな｣


『え？』


｢いくら仲良いおねーさんでも、ここには入れないから｣


『…私は？』


｢Aはトクベツだよ〜！

ボクのモデルだし、すっごく大事なトモダチだから！｣


『乱数から“トクベツ”を貰えちゃうなんて嬉しいな、

そういえば暇だって言ってたけど、なんで私を誘ったの？

乱数に会いたいって子が沢山いるんじゃない？』


｢それってーAはボクに会いたくなかったってこと？｣


『違うよ笑

さっきも言ったでしょ？

“乱数に会いたい”って。

ただなんで私を選んでくれたのかなって』


｢んー？Aがスキだからだよ！｣


『乱数らしい答えだね』


｢ボクらしい？｣


『うーん、乱数って楽しいことが大好きでしょ？

お洋服を作るのも自分を可愛いって言ってくれる女の人と遊ぶのも全部楽しいから大好きでしょ？

でも乱数、なんでいつも苦しそうな顔してるの？』



､何言ってんだ？この女。

俺が苦しい？

何故？

俺は上手くやってる。それなのに？



『違うなら私が謝らなきゃいけないんだけど…乱数、なんか雁字搦めになって一生懸命逃げようとしてるみたいに見えるんだよね。

なんでだろう？』



やめろ。

言うな。お前が俺を知った気でいるのか？

お前なんかが俺を理解するのか？



お前も俺を、“失敗作”だって言うのか？




「…にが、わかる？｣


『ん？』


「お前に…Aに…ボクの何がわかるの…？｣


『…乱数？』


「言ってみろよ！！！

何も知らないくせに！！

俺の何も…何もわからないくせになんでそんなこと言うんだよ！！｣


Aが大声を荒らげて“いつもの可愛い乱数”を捨てた俺を目を見開いて驚いている。

水を濁らせるほど少しの恐怖と驚き、困惑を孕んで。


「お前達はこれ以上俺に何を期待するんだ？

繋げた絆は嘘じゃなかった。

切りたくなかった。

でもどうせ未来は変えられない…だから俺がやったのにそれを非難するのか？

俺はどうしろって言うんだ！！！｣



【この失敗作が】

【お前など最初から信用していない】

【飴村乱数、それは我々の駒の名前だ。

失敗作のくせに人間になったつもりでいるのか？

笑わせる】

【我々の計画に命を賭すのがお前の使命だ】

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