【ヒプマイ】月が満ちる時に。3 (ページ42)

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一体何で争ってるのあなた達は…

『さ、左馬刻？銃兎、ね？1回落ち着いて？』

左馬刻「…っち！｣
銃兎「…はぁ、｣

あれ？意外にもすんなりと収まったみたいだな。

理鶯呼ばなくてもだいじょ

左馬刻「おい、A｣

『…ん？何？』

左馬刻「腹が立つからここで選びやがれ。

俺にするのか、その他の男にするのか｣

銃兎「そうです。

貴方がほかのディビジョンのメンバーと関わりがあるのは知っています。

なので他の男がどうとは言えなくてもせめて今ここで左馬刻か私か、それくらい選んでください｣

『…は？』

ちょ、ちょっと待って。

何の話？

2人とも私の友達でしょ？

友達を選ぶなんておかしいって！

左馬刻「A。｣

不意に名前を呼ばれたかと思えば左馬刻は私に少しずつ近づいてきて、一旦離れようとした私はそのまま壁に追い詰められる。

そして左馬刻は壁と私を挟むような体勢で私のすぐ左脇に右手をドンッと壁に打ち付けた。

『さ、左馬刻…ご立腹なのはよく理解してます、

あの、だから…』

銃兎「A｣

次は銃兎が私の名前を呼んでそのまま左手を私のすぐ右横にドンッと打ち付ける。

右を見れば銃兎、左を見れば左馬刻。

逃げられない…

『2人とも…私は』

そう、言葉を詰まらせたその時。

左手を強い力でグイッと引かれ、左馬刻がその反動で思わず手を離し、私は引っ張られた力のまま体が傾く。

『…っあ、』

ボスっとぶつかったのは体格のいい人の…体？

一体誰…って

『理鶯！』

理鶯「左馬刻と銃兎の喧嘩の原因はAだったか。

2人が争うくらいならそこは間をとって小官がAをいただこう。｣

『理鶯、それってどういう…』

“どういう意味？”と聞こうとしたのにその言葉は声にならず、口の中に留まる。

なぜなら…私の口が塞がれたからだ。

誰にって…そう、理鶯に。

多分、私今すごく目、見開いてる。

理鶯のすぐそこにある顔が私の心臓の鼓動をいつもの1.5倍は早くしてる。

理鶯、睫毛ながいなぁ…ってそうじゃなくて！

左馬刻「なっ…理鶯！｣

銃兎「理鶯…、｣

『…っ、りお、っん、くるし…』

理鶯の優しいのに激しいキスが苦しくて息の吸い方がよく分からなくなってしまう。

おかげでまるで脳がびりびり痺れたみたいになって焦点が合わない。

左馬刻「り、理鶯！俺達が悪かった。

だからもうA、解放してやってくれ｣

銃兎「はい、じゃないとAが…｣