story127 side:一二三 ページ33
Aの頼みで、彼女のその整った唇にリップで色をつけてあげる。
あーかわいい。
かわいいなぁ、もう。
俺っちはAが好き。
綺麗に整った、その綺麗な髪も、俺っちの顔が近いのが恥ずかしいのか、目をつぶってしまうところも。
A、早く、俺っちの事好きになってくれないかな…
口紅を塗り終わり、Aから離れると、独歩がAに近づき、その顎を片方の持ち上げ、もう一方の手で唇の縁のはみ出した色を指で擦って消してあげた。
と、その時。
へへへとはにかんで笑うAの口の中に独歩の指が入って動き回っているようだった。
Aが少し涙目になって『うぐ…独歩…』とぼーっとしながら声をやっと発した。
なのに独歩は辞めない。
俺っちの前で抜け駆けなんて…独歩…!
つい、手が出て、独歩の腕をがしっと掴んだ。
「独歩、何してんの〜?」
独歩「…悪かったな、」
Aに大丈夫かと聞くと、Aはとろんとした、焦点の合っていない目で『…だいじょ…ぶ』と答えた。
…A。
…A。
可愛い。抱きしめたい。
ふ、……きっと、独歩がいなければ俺っちはAを抱きしめて離さなかったはず。
だって、仕方ないだろ。
Aは俺っちの運命なんだから。
『今日会うのは碧棺左馬刻だよ』
碧棺左馬刻…
確か、先生と昔同じチームだった…
今は確かヤクザやってるって言う…あの!?
なんで、そんな奴がAの友達なんだ!?
「A、!」
『も〜!大丈夫だって!
2人とも相変わらず私のお兄ちゃんだねー?』
お兄ちゃん、か。
A。
いつまでお兄ちゃん、って呼べるか…教えてあげるから、今日はゆっくり楽しんで、帰っておいで?
俺っちのA。
好敵手が独歩だろうとヤクザだろうと関係ない。
Aは誰にも譲らない。
行ってきます!と家を出るAに手を振りながらそんなことを考えていた。
-------------キリトリセン--------------
ここ最近、出会いとか、Aちゃんの周囲を取
り巻くチームやそして中王区の登場が続いてドキ
ドキいっぱいの私生活がかけてなかったので、ち
ょっと重複してしまいましが、Aを絶対誰に
も渡したくない幼なじみの独歩&一二三の心の中
も書いてみました。
独歩も一二三もAちゃんが大好き!
鈍いAちゃんは何時、“お兄ちゃん”達の気持
ちに気づくんでしょうか?
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年3月11日 19時