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story109 ページ15

『ご馳走様でした!』

一二三のご飯多いように見えたのに、とっても美味しくてあっという間に食べ終わってしまった。

こんな温かくて美味しいご飯は久しぶりに食べたな…。

今はもう居ない、家族の思い出が蘇る。

…どうして、あの戦争は私だけを残して、全てを奪ってしまったんだろう?



どうせなら…私も消してしてくれれば、戦争なんてこんなに恨まなかったのに。


一二三「はいはーい!美味しかった、A?」

『うん!とっても!』

一二三「良かった〜!後片付けは俺っちがやっとくから、先にお風呂入って来ちゃったら?」

『うん…何から何まで、ありがとうね?一二三』

一二三「全然だいじょうび〜!」

ニコッと笑顔を向けてくれる一二三にお礼を言って部屋へ戻る。

この脚はどうも動きにくくて大変だ。

これでは仕事にもならない。

ご贔屓にしてくださってるお客様が今の私に依頼しないようにメールを送らなきゃならないし…。

あぁ!もう!

あのスピードの車なら、ギリギリでよけれたのに!!!

部屋でそんなことを考えながら、パソコンを起動すると扉をコンコンと叩く音がした。

『はい!どうぞ入ってください!』

一二三「A、しっつれーい!」

『一二三、どうしたの?』

一二三「はい、これ!

怪我が治りやすくなるようにおまじないのローズティと俺っち特製マドレーヌ!」

『うわぁ、美味しそう!

だけど、貰っていいの?』

一二三「もっち!Aのために俺っちが作ったんだよ?」

『ありがとう、一二三』

一二三が渡してくれたマドレーヌをひと口食べると、蜂蜜の甘い香りが口の中に広がる。

『んん!美味しい〜!』

私はそう言ってもう一口それを食べた。

すると、「A」と一二三に右肩を掴まれた。

『一二三?』

一二三は私を見つめると、両肩を掴んで、私の身体を自分の方へ向けた。

そして、ゆっくり顔を私の顔へ近づける。

え!?

何?



こ、これってまさかキ、キス?



思わず目をぎゅっと瞑ると、口のわまりに生あたたかい感触が一瞬伝わる。

だけど、その熱はすぐに引いていって冷たくなる。

一二三「も〜Aはまだまだ子供だな〜!

口の周りにマドレーヌついてたよ〜」


『…っっ』

つまり、今、一二三は私の口の周りについたマドレーヌを舐めとったということだ。

だ、だよね?

一二三が私にキスなんて…

何考えてるの!!


『あ、ご、ごめん。ありがと…』


一二三も独歩も兄分なのに何意識してるの!私!

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設定タグ:ヒプマイ , 逆ハー , ヒプノシスマイク   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年3月11日 19時

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