【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

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コンコン

と扉を叩くと中から｢はいはーい！｣と明るい声が聞こえる。

ｶﾞﾁｬ__
乱数｢おねーさん！いらっしゃい！｣


『はーい。

失礼します…うわぁほんとにほんとにフラワーマカロンだぁ…！』



部屋に入った途端マカロンの側に行ってそれを上から横から下から眺める。

大人気ないとわかっているけどほんとに…これ芸術品なんだよ…



乱数｢はい！おねーさんストップ！！

マカロン食べる前にお洋服着てね？｣


『え？そんなこと一言も言ってなかったのに』


乱数｢うんっ！言ってないよ〜★

だけどこの前約束したもんね？お仕事として契約交わしたもんね？｣


『…あの契約書ずるくない？

乱数の事を呼び捨てすること、敬語は使わないことって…それ仕事に関係ある？』


乱数｢大ありだよ〜！

この仕事は！パートナーの相性が大切だからねっ！堅苦しいままじゃ素敵なお洋服は生まれないよっ★｣



た、確かに…正論かもしれない…



『はいはい、わかったよ。どれ着ればいいの？』


乱数｢これとこれ！今日はこの2着！

…でもおねーさんちゃんと敬語使ってないねっ！

偉い！｣


『偉いって、契約だからね。

結んだ約束は何があろうと守らなきゃ』


乱数｢うんうん！ほんとだよね！！

じゃあお着替え行ってらっしゃい〜｣



今日は、パンツにブラウスみたいだ。

ブラウスが甘めなのにシュッとしたパンツのおかげで仕事にも着れそう。

かっこよく、可愛い。そんな服だ。

ｶﾞﾁｬ__
『どう？』


乱数｢やっぱりおねーさん似合う！！｣


『そう、良かった』


そう彼に返事したその時。

事務所の入口の扉が開く。



幻太郎｢乱数、いますか？

…おや？貴方もいたんですね、Aさん｣


帝統｢乱数〜お願いだから金かし…A…っっ｣



私を見つけた途端顔を真っ赤にして夢野先生の後ろに隠れる有栖川さん。

ん？…私、有栖川さんに嫌われてる？



『夢野先生、こんにちは。今日は貴方に会いに来ました』


幻太郎｢はて？小生に？何故ですか？｣


『…先生、今月新刊を発売されますよね？

私、その新刊リリースイベントの時に先生のボディーガードをさせていただきます。

だから、先生の事を少しでも知っておきたくて』


幻太郎｢あぁ、貴方なのですか。“腕のたつ護衛”とは。｣


『腕がたてばいいですけど…』


乱数｢あはは！幻太郎にボディーガードなんて要らないんじゃない？

だって幻太郎はPhantomだもんね！｣

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