【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

story54 ページ8

『乱数…』


《『残念、今日はお仕事の整理をするから行けません』》


乱数《えーー！マカロンたーくさんかってきたのに！！》



…甘いんだよ乱数！甘々だよ！同じ手には乗らな…




乱数《知ってる？新商品。

期間限定のフラワーマカロン！》




…し、知らないわけないでしょ！！

すっごく食べたくて！

でも期間限定だし無理かなって思ってたやつだよ！

それ！



乱数《ボクの手元にあるよ〜》



送られてきた写真には確かにネットでみた通りのフラワーマカロン7個の写真が。

…ダメだよ！！乱数のペースに乗せられると何も出来なくなるんだから



乱数《おねーさん…来てくれないとボク寂しくて泣いちゃうよーー》


《『はいはい…、またね』》



ギリギリの所で欲望に打ち勝って携帯の電源を落とす。

乱数からの着信なのか携帯が振動したけど見ない。

その代わり溜まりに溜まった仕事の資料に目を通す。

今月は成立以来は6件。

その内3件は終えたから後は3件残っている。



『えーと…今月最後の予定は…ん？

小説家？これまた珍しい』



どうやら小説家の新刊リリース記念のサイン会の日に私に入った依頼だ。

概要欄にかなり人気な人らしく、しばしば事件も起こりやすいから緊張感を持って取り組んで欲しいとイベント主催者からコメントが入っている。

ふーん…誰だろ…ん？この写真…小説家の？

…どこかで見たことあるなぁ？どこだ？

…このミルクティー色の髪の毛…夢野幻太郎っていう名前…

幻太郎…ゲンタロウ？



『あ！乱数のポッセ！』



その瞬間閃いた私は急いで乱数からの連絡を開いた。



乱数《ねーおねーさん来てくれないと、僕に懐いてるゲンタローのペットが全部たべちゃうよー？》


《『乱数！行きたい！行ってもいい？』》



そう送るとさっきから少し時間が経ってるのにすぐに返信が。



乱数《もっちろ〜ん！★待ってるよ★》


《ねぇ、夢野先生いる？》


乱数《幻太郎？…多分後で来ると思うけど》


《じゃあ！行く！》


乱数《おねーさん…ボクに会いたくて来るんじゃないんだ？》


《『これは仕事のためなの！別に！マカロンに釣られたわけじゃないし！

マカロン食べたいわけじゃないから！』》


乱数《はいはーい★待ってるよ〜★》



乱数からの返事をみて急いでシブヤへ行く準備を始める。


あくまでも仕事なので！仕方ないので！

夢野先生がどんな人間なのか知りたいだけ！

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