story92 ページ47
左馬刻「やっぱり気に食わねぇ。
なんで俺様がわざわざお前をあのダボの所に行かすようなマネしなきゃなんねぇんだよ」
『左馬刻、…一郎は私の大切な友達なの。
このままあの子たちとこじれたくない』
左馬刻「あんなやつ、やめとけ。
あいつは…あいつは!」
『お願い、左馬刻…行かせて?』
左馬刻「…っチ、わかった。…行けよ」
『ごめんね?この埋め合わせはまた必ずするから!』
そう言って彼の家の玄関を出る。
わざと後ろを振り向かないようにして。
左馬刻の行かないで欲しい、という視線には気づいていた。
左馬刻だって、私の大切な友達だ。
だから、その気持ちを認めてしまえば一郎達から逃げてここに留まってしまうような気がして、見ないように、前だけ向いて走る。
ここからイケブクロだからそんなにそんなに時間はかからないとは思う。
やけに晴れたそれが私を嘲笑っているようで苛立ち、太陽を睨む。
ちゃんと、話をすれば大丈夫。
分かってくれる、あの子達なら。
そんな、確信もない気持ちを息と共に吐き出して
スマホにメッセージを打ち込む。
《一郎、今からお家にお邪魔してもいい?》
たった一文を打ち込むだけなのに指が震えて誤字が多くなってしまう。
落ち着いて、落ち着いて、私…
一郎《おう。》
〜in イケブクロ〜
ピンポーン
『一郎、ボク…私。A。』
一郎「…まあ、入れよ」
萬屋山田について、ドアの向こうにあった一郎の顔は怒っているというより悲しさが強く見えた。
中に入ると、来客用のソファに座った二郎と三郎がいた。
二郎はこちらを見ないように俯いているみたいだった。
二郎…そうだよね、私が仲良くしようとかけしかけておいて…
一郎「今、茶、出すから座っててくれ」
『うん、ありがとう』
一郎の沈んだ声に応えて二郎と三郎の向かい側に座る。
『…二郎、さぶ』
一郎「はい、お茶。」
『…ありがとう、一郎』
わたしの前にお茶を差し出した一郎が彼らの横に座る。
3対1で私達は向き合った。
…
鳴る心臓に息を吸い込み、酸素を送り込む。
大丈夫…大丈夫、…
『ごめんなさ』
三郎「申し訳ありません!いち兄!…二郎、」
私が叫ぶように謝罪の言葉を述べようとした瞬間、その声をかき消すくらい大きな声で謝ったのは三男坊、三郎だった。
『三郎?』
三郎「いち兄、Aは何も悪くないんです。
悪いのは全部僕なんです!」
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hani-R - ルキさん» ルキ様。コメントありがとうございます。「ハマにハマれ」ですね笑わかりますめちゃくちゃわかります。ヨコハマは声優さんがキャラクター本人過ぎてもう心臓に悪いですよね…笑 (2021年2月13日 23時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 僕の推しは寂雷先生と独歩ちんです!!!!!!!最近、浅沼さんにハマってそこから駒ちゃん神尾さんとどんどんハマもハマりつつあります! (2021年2月13日 15時) (レス) id: 5d86928a65 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - Rさん» R様。作者です!コメントありがとうございます!心中お察ししますよ笑笑ほんとにみんなかっこよくて可愛くてそれなのにバチバチのラップかまされたらそれはもう惚れますよね笑三郎君!可愛い!なのに神童!好きになるしかない!笑 (2021年2月4日 7時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - コメント失礼します!!!推し?みんな顔が良すぎて‥三郎です!!!←もう、なんだよ‥顔が良いッ‥‥‥すいません取り乱しました‥失礼しました!!! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 104d0cd352 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - らんらんさん» らんらん様、作者です!リクエストありがとうございます。全てを反映しきれるかわかりませんがなるべくストーリーに取り入れられるように頑張ります。これからも楽しんで読んで頂けると幸いです。 (2021年2月2日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年1月8日 1時