story83 side:you ページ38
『おはようございます、夢野先生。』
幻太郎「あぁ、Aさん、おはようございます。
今日はどうかよろしくお願いしますね」
『こちらこそ』
昨日、三郎と話した後に事務所から戻ってきた一郎達から領収書を貰いすぐに家に帰った。
ご飯に誘われたけど明日…いや、今日は夢野先生のお仕事が入っているから早く寝ておきたくて断った。
三郎はきっと約束を守ってくれているだろう。
でもだからってそれに甘えちゃいけない。
タイミング…見計らってちゃんと女だってこと言おう。
だって一郎も二郎も友達だから。
幻太郎「何か考え事ですか?」
『…え、あ!いえ
すみません…!…っと、もうイベント始まりますね、行きましょう』
幻太郎「そうですね」
そしてすぐ。
まるでイベント主催者が予言したように事件は起きた。
イベント中は夢野先生の安全を確保できるように私は先生のすぐ後ろに仕えてお客さんの様子を観察する。
今日は新刊のサイン会も兼ねていて先生の雪解けの滴のごとき御尊顔を拝しに多くの女性ファンが詰めかけていた。
すごい人気なんだなぁ…
まあラップも出来て小説も書ける男の人なんてそりゃあモテるよね。
とその時。
不穏な空気を感じた。
俯き気味に列に並んでいる女性のお客様。
ただ様子が少しおかしい。
…なんだ?何がある…?
私は自然に先生の側へ近づく。
何かあってもすぐ動けるようにしておかなきゃ。
そしてとうとうそのお客様が先生の前へ来た。
女性「…先生、……サイン…お願いできますか…」
幻太郎「えぇ。もちろんですよ」
夢野先生は恭しく頷くとそのお客様が渡そうとしている新刊とペンを受け取ろうと手を伸ばした。
…ん?ペン?
なぜこちらでペンは用意されているのにわざわざ新しいペンを渡すの…?
先生が使ったペンさえも欲しいのかな…?
…あれは!
『お客様、そのペンはお取り下げください』
女性「…は?…なんでよ」
『…ペンはこちらで準備したものをお使いください』
女性「…だからなんでって聞いてるの」
『…お客様の為にもそれは申し上げない方がよいか…っと!』
女性は私の言い終わらぬうちに持っていたペンをナイフに変形させてこちらへ向けてきた。
「きゃあああ!」「ナイフ!?」「なになになに」
やっぱりそうか。
あれはペン型のナイフ。
ペンに見えるけどただのナイフで“こういう場所”で使うにはうってつけだ。
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hani-R - ルキさん» ルキ様。コメントありがとうございます。「ハマにハマれ」ですね笑わかりますめちゃくちゃわかります。ヨコハマは声優さんがキャラクター本人過ぎてもう心臓に悪いですよね…笑 (2021年2月13日 23時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 僕の推しは寂雷先生と独歩ちんです!!!!!!!最近、浅沼さんにハマってそこから駒ちゃん神尾さんとどんどんハマもハマりつつあります! (2021年2月13日 15時) (レス) id: 5d86928a65 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - Rさん» R様。作者です!コメントありがとうございます!心中お察ししますよ笑笑ほんとにみんなかっこよくて可愛くてそれなのにバチバチのラップかまされたらそれはもう惚れますよね笑三郎君!可愛い!なのに神童!好きになるしかない!笑 (2021年2月4日 7時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - コメント失礼します!!!推し?みんな顔が良すぎて‥三郎です!!!←もう、なんだよ‥顔が良いッ‥‥‥すいません取り乱しました‥失礼しました!!! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 104d0cd352 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - らんらんさん» らんらん様、作者です!リクエストありがとうございます。全てを反映しきれるかわかりませんがなるべくストーリーに取り入れられるように頑張ります。これからも楽しんで読んで頂けると幸いです。 (2021年2月2日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年1月8日 1時