story82 ページ37
『三郎、なんて?』
三郎「言いたくなかったけどさ…なんか隠されたまま仲良くされても気分良くないし、正直に言っ」
『なんでわかったの?』
三郎「えっ…」
三郎は自分の言葉を遮り大きな声を上げてしまった私を目を見開いて見ている。
、しまった…
人の話を遮るなんて最悪だ…
『ごめん、…でもなんで?なんでわかったの?』
三郎「…なんで、ってことは自分が女だってことを認めるんだね?」
『あ、うん。…私は正真正銘の女。隠しててごめんね』
三郎「なんで隠してたの?」
『…別に騙そうとか思ってた訳じゃなくて…
ほら、今はこんな社会でしょ?私は…女だからってだけで優遇されるなんてまっぴらだし、女だからってだけで男の人に対して驕りたくないんだよね。だから…』
三郎「ふーん…」
『私、結構わかりやすかった?いつから女だと思ってたの?』
三郎「…割と出会った頃」
『え…まあ、三郎は洞察力いいしね…』
三郎「…多分、いち兄とあのバカは気づいてないはず。」
『…え、ほんと?…あの、じゃあ、三郎。
…まだ一郎と三郎にはこの事、話さないでおいてくれないかな?
2人は友達だから…ちゃんと自分の口で伝えたいんだ。本当は三郎にも自分から言いたかったのに…ごめん、』
三郎「…いや、いいよ。
あとわかった。黙っておいてあげる。Aの頼みだからね」
『ありがとう!三郎!』
私は三郎の両手をぎゅっと握りしっかりお礼をした。
この2日後、事件が起こるとも知らず私は三郎に笑いかけた。
side:三郎________________
“なんでわかったの?”
…Aが2回目に家に来た時。
翌日のテストに向けて勉強していた僕の所へ彼…いや、彼女が来た時だった。
僕の周りを漂う、男にしては甘すぎる香り。
心臓がビクッと跳ねた。
Aはノートを後ろの僕の頭の横から覗き込んで三郎頑張ってるね、と声をかけてきた。
Aの動作一つ一つが甘い。
まるで砂糖みたいだ。
Aが動く度に花のような香りも揺れ動く。
「あの」
『三郎あんまり無理しちゃダメだよ?
三郎が倒れたりしたら一郎も二郎も心配するからさ』
何事もないかのように僕の頭を撫でるA。
いつかの本で見た月の女神のように笑っていた。
そう、女神。
その瞬間僕は気づいたんだ。
あぁ、Aは女なんだ、と。
それなら今、月の女神に手を握られている僕は月の王子にでもなれるんだろうか。
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hani-R - ルキさん» ルキ様。コメントありがとうございます。「ハマにハマれ」ですね笑わかりますめちゃくちゃわかります。ヨコハマは声優さんがキャラクター本人過ぎてもう心臓に悪いですよね…笑 (2021年2月13日 23時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 僕の推しは寂雷先生と独歩ちんです!!!!!!!最近、浅沼さんにハマってそこから駒ちゃん神尾さんとどんどんハマもハマりつつあります! (2021年2月13日 15時) (レス) id: 5d86928a65 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - Rさん» R様。作者です!コメントありがとうございます!心中お察ししますよ笑笑ほんとにみんなかっこよくて可愛くてそれなのにバチバチのラップかまされたらそれはもう惚れますよね笑三郎君!可愛い!なのに神童!好きになるしかない!笑 (2021年2月4日 7時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - コメント失礼します!!!推し?みんな顔が良すぎて‥三郎です!!!←もう、なんだよ‥顔が良いッ‥‥‥すいません取り乱しました‥失礼しました!!! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 104d0cd352 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - らんらんさん» らんらん様、作者です!リクエストありがとうございます。全てを反映しきれるかわかりませんがなるべくストーリーに取り入れられるように頑張ります。これからも楽しんで読んで頂けると幸いです。 (2021年2月2日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年1月8日 1時