【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

story50 ページ4

『萬屋…？』


一郎「おう！何でも屋ってとこだな！依頼されればなんでもやるんだ｣


『へぇ…もしかして、一郎って弟いる？』


一郎「？…いるが…なんでAが知ってるんだ？｣


『…ちょっとね？帰ったら弟くん達に聞いてみて

…あ！でも、名前を言っても伝わらないから白いパーカーに紫銀髪の男っていえば良いかな』



不思議そうな顔をして私を見つめる一郎。

すぐにわかるよ、、あの二人が私のこと忘れてなければ、だけど。



『面白い弟くん達だよね…凄い喧嘩してたけど』


一郎「アイツらまた喧嘩してたのか…？ったく…｣


『また？いつもなの？』


一郎「あぁ、そうなんだよ…でも｣


『でもきっと2人ともお互いが大好きなんだよね、一郎のこともすごく尊敬してるみたいだったし…

て、ごめん。

なんか言いかけたよね？』



喋りだしてから私が彼の言葉を遮ったことに気づいた。

彼に続きの言葉を促すと嬉しそうに笑って｢いや、｣と否定した。



一郎「ははっ、俺が言いたいことはお前が全部言ったよ｣


『…僕が？』


一郎「あぁ。

…じゃあ、帰ってアイツらに聞いてみるとするかな｣


『うん！…是非！…じゃあ、また会おうね』



お互いに手を振って反対方向へ歩き出す。

今日の出会いは素敵だった。

でもまさか山田一郎だけじゃなくて一郎の兄弟にも会うなんて…凄い偶然だな。

イケブクロか…

これからは頻繁に来ることになりそう。

仲良くしていきたいな、一郎とは。

寂雷先生の話も沢山したいし。

一郎、アニメオタクって言ってたけど好きなアニメってなんなんだろう？

ちょっと勉強してこようかな？

そういえば…話さなかったけど乱数や左馬刻とも知り合いだよね？

今度聞いてみようかな…？


いや、でもTDDも色々あったんだろう。

あんまり触れない方がいいこともあるよね。


そんなことを考えて家路を急ぐ。



ウキウキした気分のまま帰った私は少しの時間ラダラ過ごして、お風呂に入り、寝る準備をした。

寝る直前、昨日左馬刻から貰った服が目に入る。



『これ…左馬刻と会う時ぐらいしか着ないよね？普段は男の格好だし』



そう言いながらも喜んでいる自分がいることに気づいていた。

誰もいない部屋だけど誰にも聞こえないように薄く笑ってベッドに入る。



私は暗くするとすぐに寝れるタイプなんだなぁ、と考えているうちに私は意識を手放していた。








✄----------ｷﾘﾄﾘ----------✄
祝 50話達成

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