【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

story73 ページ27

『なにこれぇ！！すっごくおいしひぃ！』



お酒のせいでやたらテンションの高いAとシャワーを終えた独歩ちん、そして俺っちの3人でテーブルを囲む。

ご飯の前に酔いが覚めるようにAもシャワーに行かせたのに全然変わってないなぁ？

リョウ君の話ではー1杯しか飲んでないって言ってたんだけどなー？



独歩｢A、お酒弱いんだな。…あんまり飲むなよ｣


『おさけぇ？へへなんのこといってるのぉ？私おさけなんてのんでないからぁ』


独歩｢…はいはい｣



俺っちの作ったプリンを美味しそうに頬張るAをじっと見つめる。

あーー可愛いな…

昔はずっと一緒だったからこの気持ちは気にしなかったけど離れて会えなくなってからようやくはっきりしたんだ！


俺っちはAが好きだ。


妹みたいな存在じゃなくて、一人の女の子として。

Aには俺っちの隣だけで笑っていて欲しい。

Aの瞳に映るのは俺っちだけであって欲しい。









独歩｢一二三、早く風呂入ってきちゃえよ。俺コレ洗っとくから｣



ご飯が終わると独歩ちんはキッチンで洗い物をしながら言った。

独歩ちんはいつも丁寧に皿洗いと乾燥をしてくれる。



｢おっけおっけ！ありがとねー独歩ちん！｣



そう伝えて俺っちは風呂へ向かった。









｢きんもちよかったぁー！たっだいま！2人とも！｣


独歩｢おかえり、…一二三。

これから大切な話をしたいんだが…｣


｢ん？なになに？？｣


独歩｢Aが寝る場所なんだが…｣


｢あーそかそか！じゃあ、俺っちがソファで寝るから大丈夫っしょ！｣


独歩｢いいのか？…じゃあ俺は俺のベッドで寝てAは一二三のベッドで｣


『やだ』



テレビを見ながらAが言った。

こちらも向かず、今なにか言ったか？って感じで。



独歩｢Aをソファで寝させる訳にはいかないだろ？｣


『昔みたいに3人で寝よう！』


独歩/俺っち｢…は？｣


『だめぇ？やだー！3人で寝よぉ寝よぉよ！』



昔みたいに今にも泣き出す勢いでAが叫ぶ。

あはは、お酒の効果強し、



『ね！A、一生のお願い！！ね！！』



俺っちたちの回答を聞かず俺っちと独歩ちんを寝室にぐいぐい引っ張っていくA。

まじ可愛いんだけどどーしよ、コレ。



『さ！ねよ！』



ベッドの真ん中にAが横たわる。

独歩ちんはどうするんだ、という顔をしているけど俺っちは楽しくて仕方ない。

俺っちはAの横へ寝転がった。

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