【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

story76 ページ31

『どっ…』


独歩｢本当に昔から無防備だよな？お前。

…いつになったら気づくのかと思ってたけど｣



上に跨る独歩の体が私に影を差す。

私の頭の左右を塞ぐ彼の腕は太くてあぁ、この人も男なんだと不意に思わせる。

独歩…クマが酷いな。

ちゃんと寝れてるのかな？

心配。


場違いだと分かっていても私の脳はそんなことばかり吐き出す。

それが彼の言う“無防備”なんだろうか？



独歩｢…ごめん、A。もう俺は我慢できないし、しない。

お前から気づいてくれるまで待とうと思ったけど…お前ももう20歳だし…いいだろ？

これだけ耐えたんだ、俺は｣


『独歩。何に耐えたの？どういうこと？』


独歩｢…そういうとこだよ…耐えたっていうのは｣



彼はそう、自嘲気味に呟くと私の首元へ顔を埋めた。


『…っ？』



刹那、首に燃えるような痛みが走る。

…独歩の吐息がかかった所ピンポイントに。



『独歩、何して…』


独歩｢A、こんなのは宣戦布告だ。

…これからだから。ちゃんと心の準備は済ませておけよ？｣



すると独歩は何事も無かったかのように立ち上がり、｢あぁ、お腹空いた｣と言いながらリビングへ向かう。

…宣戦布告って…何？

…私の首に何したの？…変に痛いな、…噛まれたんだろうか？

いや、でもなんで？

とりあえず近くにあった鏡を手に取りそこを映す。

…虫刺されみたいになってる。

…待って…こ、これって…まさか…キスマーク？

え？ええ？

待って。だって。え？なんで？



一二三｢おーい？A〜？どしたー？｣


『あっ！あ、うん！今行く！！』



独歩が付けたこの印の意味がわからないまま私はリビングへと駆け込んだ。









それから一二三と独歩の家で朝食を頂き、私はヨコハマへ帰った。

独歩は何も知らん顔でいつも通り…というか前より優しく私に接してきて、一二三もなんかすごく距離が近かった気がするけど…何事もなく家に帰ることができた。


その後私は自宅で明日の…例の比羅様の仕事の最終確認をしていた。

一郎達、Buster Brosに依頼する方の仕事もミスがないように。

なんにも考えず気楽に仕事をしていたのだ。









後日、この独歩によって付けられたキスマークが原因で大変なことが起きるとも知らずに＿＿。









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ヒプマイ、皆様の推しは誰ですか？

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