story1 side:you ページ4
『なるほど?ストーカーですか…』
依頼人「はい…そうなんです」
窪んだ目、憔悴しきった表情、落ち着かない目線…これはかなりやられてるな…
私は虚城A。
ここ横浜の地で日雇いボディーガードを生業としている。
昨日、私に入った依頼の電話。
一般人だというから珍しいな、と思って事情を聞いたらストーカー被害に合っている、というものだった。
そして今日1度依頼者と面談をするのが決まりの私のこの仕事でいざ依頼人と会ってみたらこれは相当精神に負荷をかけられているようだ。
『犯人に目星はついてるんですか?』
依頼人「…はい、きっと、いえ絶対アイツなんです、元カノの…」
『元カノ?』
依頼人「…俺、ヨコハマからシンジュクに通ってホストやってるんです」
『シンジュクに毎日通ってるんですか?』
依頼人「はい…
憧れてる先輩がいて…絶対仕事は辞められないんです…
アイツ…アイツのせいで…!!」
生気の無い目をカッと見開いてわなわなと肩を震わせる依頼人。
大丈夫ですか?と声をかける。
依頼人「あぁ、すみません…
アイツとは仕事で出会ったんです。
最初は客とホストの関係で…でも…いつもニコニコしてておおらかで他の客に嫉妬もしないし、俺と趣味も合って…店の外で会うようになるうちに俺もアイツを好きになってしまって…付き合うことになったんです…」
ここまでなら理想の素敵な話で済む。
が。
今回の物語は<ここから>のはずだ。
私は目の前に置かれたミルクティーを1口飲んだ。
甘ったるい液体が口の中に流れ込んで喉を冷やしていく。
依頼人「だけど…付き合ってみたら変わったんです…
メッセージの返信が少し遅れると
“私のことが嫌いになったのね、死んでやる!!”
だの
“裏切り者裏切り者裏切り者裏切り者許さない許さない許さない許さない”
みたいなメッセージを夜中中送り付けてきたり…
もう精神的に耐えられなくて、先月別れを切り出したんです、俺から。」
『なるほど。
それで?元彼女さんは別れを受け入れてくれたんですか?』
【絶望】を体で表すようにブルブルと頭を震わせる依頼人。
…まあそうでしょうね…こういうタイプの女は…
依頼人「“絶対別れない”の一点張りで…
…もう怖くなって無視することにしたんです。
そうしたら…
家のドアの壁に刃物で傷をつけられたり帰宅する時に誰かに後をつけられたりするようになって…」
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hani-R - ぷにぷに左衛門さん» わぁ初コメントありがとうございます!そう言ってくださるとほんとに嬉しい…涙…!!これからブクロのメンバーやオオサカ、ナゴヤも登場して沢山愛される予定ですので是非読んでいただければ(笑顔) (2021年1月7日 15時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに左衛門 - めちゃくちゃ面白いです!もう続きが楽しみです! (2021年1月6日 23時) (レス) id: b1fc0b4e72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2020年12月29日 2時