悪魔の子 −first−

一話 ページ2

コケコッコ―。









鶏が鳴いた。








現在の時間６時３１分。







貴)起きるか。






大きく伸びをした後、布団をたたみ、洗面所へ向かう




そして、服を着、顔を洗い、歯を磨き、髪をとかし、ゆわく。







毎朝毎朝、同じ事の繰り返し…







なんて思いながらふすまを開け外に出た。









――――以前は、一度入ったら二度と太陽を拝めないと言われていた吉原は、




今では、天井は開き、いつでも太陽を拝めるようになっていた。







なんで天井なんて開いてしまったのだろう…といつも思う。








ずっと、鳥かごの中のままが良かったのに。









私なんか、太陽を拝んでいい人間じゃない。






とても、とても暗い闇の中で、“生まれてきてしまった”と言う罪を背負いながら


生きていかなければならない人間なのに…。









トントン。









後ろから肩を叩かれた。









…おそらく、遊女だろう。




大方、「客と遊女でモメております。どうか加勢を…」的な奴だろう。







これでも、私は百華の副頭だからな…









ああ、めんどくさ…と思いながら後ろを振り向くと遊女ではなく月詠さんが居た。

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