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13話 ページ13

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ジッパーを閉めてほしい、なんて斜め上のことを言い出すもんだから、少し驚きながら、俺は言われた通りに彼女の背後に回って金具を手に取った。

と、その背中と服との隙間から、否が応でも上下の下着が目に飛びこんだ。
Aちゃんはそのことには一切気がついていないようで、俺に無防備な背中を向けて黙っている。

本当、男を知らずに生きてきた、って感じやな。というか、このワンピース選んだやつ誰や。褒めたる。


そんなことを思い、これを選んできた名も知らぬ部下に心の中で賞賛を送る。


はだけた背中は、不健康なほど骨が浮き出ていて、ちゃんと食べていることを疑うレベルだ。色も真っ白だし。そりゃあ、毎日室内で夏でも長袖のスーツを着ていればそうなるか?

病人のように血色を欠いたその肌の白さに、自然と俺の手は伸びていた。


「……ひっ」


突然触れられたことで、Aちゃんはかなりびっくりしたようで、肩がびくり、と跳ねていた。

可愛い。


「あ、ごめん」


一応謝罪を伝えると、しどろもどろになりながら、「いや、全然平気です」という。そんな彼女がなぜか愛おしく思える。


「ん、できたで」


そうして、やっと彼女から手を離すと、力の入っていた肩が下に下がり、力が抜けていくのが伺えた。やっぱりまだ、緊張しているみたいだ。


「ありがとうございます」


洗濯が終わったら返す、と律儀なことを言うAちゃんを止めつつ、もうどうせ、あんな堅苦しい服を着させる気はないし、と心で付け足す。

当然だけど、Aちゃんには会社を辞めてもらう。


口振りを見ている感じ、あまり仕事を楽しんでやっているようにも見えないし。


「ああーー!!そうだ、会社っ!行かないと!」


さて、どう警戒されないように伝えるか、と考えていると、Aちゃんは大慌てでそんなことを叫ぶ。
そして、ひとしきりあたふたした後に、自分の格好を見て、あわあわと周りを見回し始める。

そんな小動物のような挙動も、会社の心配をするAちゃんの健気さも可愛い。

まぁ、今言ってしまうのがタイミングとしては一番だろう。


「Aちゃん?もう、会社行かなくていいよ」

「…へ?」

「これからは俺が養うから」


そういうと、Aちゃんは、情報量と思考で頭がパンクしたようで、何も言わなくなってしまった。
まだ、言うのには早かったか?


「……や…」

「や?」

「やったあああああ!!!!!!」

「……え?」

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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです!少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います! (2022年8月17日 19時) (レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します!!読んでて凄くきゅんきゅんしました、!!!素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます!神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ir | 作者ホームページ:http://manaaa  
作成日時:2022年7月16日 22時

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