キラキラ輝く君を見つけた【nqrse】

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「トリ前、なるせバンド。

トリ、そらるバンド。」



ガツーンと頭を殴られた感覚。

トリ前・・・。

今日はタイムテーブルの確定日だ。


さっき全バンドお披露目をやった。

かなりいい感触だと思った。

トリもいけるかもと思った。

・・・悔しい。



「ああ!!悔しい!!」

「絶対トリだと思ったのに。」

「・・・。」



頬に涙が伝ってその場にしゃがみこむ。

2人は驚いてすぐ他の人に見えないように

私を隠してくれた。



「大丈夫?」

「・・・くやしい。」

「うん。そうだね。」



なるせくんの優しい声が耳に響く。

さらに涙が溢れてきた。



「俺、なんか飲み物買ってくる。」

「やだ。なるせくん、行かないで。」



咄嗟に出た言葉。

気づいたらなるせくんの服の袖を掴んでいた。

めいちゃんが俺が買ってくるよと言って

買いに行ってくれた。


なるせくんは私にゆっくり近づき

同じ目線にしゃがんでくれた。



「悔しいね。」

「・・・うん。

いっぱい頑張ったと思ったんだけどな。

トリ、取れると思ったのにな。

私がもっと上手ければよかったな。」



ポツリポツリと吐き出す本音に

自分の気持ちを再確認してまた泣いた。



「泣くんじゃないの。

誰のせいとかないよ。バンドなんだから。

ちょっとだけそらるさんたちに届かなかった。

それだけだよ。俺たちは頑張ったよ。」



なるせくんは優しく私を抱きしめて

ぽんぽんと背中をさすってくれた。

ああ。落ち着くなあ。



「ｸﾞｽｯ。」

「落ち着いた?」

「なるせくんの制服濡らしちゃった。」

「うわ!!何してんだよ!!」



なるせくんのリアクションがオーバーでｸｽｸｽと笑うと

なるせくんも嬉しそうに笑った。



「はい!!買ってきたよ。」

「めいちゃん、ありがと・・・。」

「泣き止んだ?よかったあ。」

「本番そらるさんたちよりも、

誰よりもかっこいいライブにしよう。」



なるせくんは私の頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でた。





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