苦手なはずなのに【2】 (ページ10)

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29話:机の下でページ10

掘りごたつの下で
私の足を誰かが蹴った。

『いっ…』

遊佐さんの方を見ると
遊佐さんは笑っているけど目が笑ってない。

『なんですか…？』

おそるおそる聞いてみても
遊佐さんは「なんでもー？」と、言うだけ

「なに？どうしたの？」

石田さんが不思議そうにしているので
なんでもないですと
笑顔で返したが、私もきっと目が笑ってない。

さっき蹴ってきたはずの遊佐さんは
私の足に自身の足を絡めてきた。

「遊佐さ～ん話きいてます～？」

彩香ちゃんの言葉に
適当に返事をしている遊佐さん

やめろと、気持ちを込めながら
遊佐さんの足を軽く踏みつけた。

踏みつけた瞬間
遊佐さんも軽く私の足を踏む

遊佐さん踏まれたら私が踏む
私が踏んだら遊佐さんが踏む
交互に攻撃をしかけ終わりが見えない。

「もう、Aちゃんやめてよぉ
　僕困っちゃう」

ちょっかいかけてきて寂しいの？
と、悪戯顔で私の事を馬鹿にする。

『何言って！！遊佐さんが先に…っ』

言葉を言い終わろうと瞬間
ギュムッと私の足を先程よりは強く
遊佐さんが踏んだ。

なんだなんだと皆が注目するも
私は踏まれた足が痛くて
顔を上げられなかった。