苦手なはずなのに【2】 (ページ18)

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37話ページ18

『どうなされました？』

手招きをされて
石田さんの隣に着く

「ただ、呼んだだけ」

ふにゃっと笑う石田さんが
可愛らしくて仕方ない。

『酔ってます？』

私が笑顔で問い掛けると
顔を片手でゴシゴシしてから
酔ってないよと言い張る。

石田さんのその
顔をゴシゴシする仕草
ハムスターとか猫がやってる
毛づくろいみたいで
可愛いんだよな…

見ていると石田さんが
ん？と言いながらこちらを見返してきた

「Aちゃん…香水つけてる？」

『ああ、つけてますよ
　良い匂いですか？』

ふざけてぶりっ子なポーズを
とってみると

「うん、良い匂い…」

横に座っている私の
首元に石田さんが寄ってくる。

一気に恥ずかしくなって
うわっと色気もない声を出しながら
グラスが倒れかけた。

「何言ってるんでしゅか～～？？？
　ゆしゃしゃんの方が良い匂いしましゅよ～」

酔っ払った彩香ちゃんは
遊佐さんの肩に自身の肩を
ピッタリくっつけながら言い放った。

「Aちゃんの方が良い匂いしますよ〜だ！！」

唇を尖らせながら言う石田さんと
それに便乗しながら
福山さんは遊佐さんに、
神谷さんは私の匂いをかごうとしてきたので
いい加減して下さいと逃げようとした時

「Aちゃんと僕同じ香水の匂いだから
　どっちも良いって事だね～」

と、遊佐さんが彩香ちゃんを
やんわり払いながら
皆んなに聞こえる声で言ったのだった。

『なっ』

何故そんなことわざわざ言うんだよ！！！！

皆んな一瞬
は？って顔で私と遊佐さんを見る。

「そういう関係」

遊佐さんが笑顔で言うので
一段と皆んなが騒ぎ始めた。