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嫌な夢を見るせいで眠ることができなかった私も、長い間眠らなかったことで疲労が出てきたのかもしれない。その日は気絶するように眠ってしまった。

目の前に広がるのは小高い丘。ちょうど、私たちが義兄弟の契りを交わした場所だった。ふわりと漂う懐かしいにおいに私は勢いよく振り向いた。

「無咎……」

「……必安、やっと話せる。」

振り返ると、眉を八の字に下げて、泣きそうな顔をした范無咎が立っていた。私はボロボロ涙を流しながら彼に飛びついた。彼はバランスを取れず尻餅をつく。顔を痛そうに歪めていたが、その目は私の方へ向けられていた。私は思いがこみ上げてきた。

「……無咎なのかい?……ごめん、私、君のこと……」

「……必安。お前が話しかけているあれは俺じゃない。俺は、もう……」

范無咎が何かを言いかけると、丘が二つに割れて范無咎がいる方が遥か下に沈んでしまった。とっさに互いに手を伸ばしたが、その手が届くことはなかった。

「無咎ッ!」

「大切な人かい?」

突然奇妙な声が聞こえてくる。振り返ると、目のつり上がった細いヒゲをたたえた男がいた。

「彼と再び話したいかい?私の言うことを聞けば、君は彼と再び共に過ごせる。」

私はその男を見た。

「本当に?」

「ああ。明日の夕方、縄を持ってきなさい。あなたの身長より短いものを。それに輪を作り橋の欄干に引っ掛けてくれ。夜に会わせてあげよう。」

そこで目が覚めた。奇妙な夢だ。あの男は誰なのだろう。そして范無咎が言いかけたことは?全てを解決するためには、あの男が言った通りにするしかないのだろう。私はいつもの通りに范無咎のもとに行く。すると、そこには范無咎は居なかった。きっと彼も彼なりに準備をしているのだ。私は村へ帰った。家に入ると、薬紙に包まれたかけらと范無咎の剣が目に入った。

「今日会えるのならこの剣も渡せるな。」

私は剣を腰に携えた。夕方に備えて縄を探さないと。家中を探すと、范無咎の部屋の中に縄があった。役人時代、彼は悪人を逃してはならないと縄を常に持ち歩いていた。

“えー、縄捨てようよー。”

“使えるかもしれない。”

ここに来たばかりの時にそんな会話をしたのを覚えている。私はクスリと笑った。

「ふふ、まさか本当に役に立つなんて。」

……私は悪人だ。范無咎を置き去りにして、1人にしてしまったのだから。だから、使うのはこの縄で丁度良いのかもしれない。

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manapanda3(プロフ) - オリジナルフラグを外しました。指摘してくださった方ありがとうございます。返信の文章があまりにもひどかったので書き換えました。今後このようなことがないように意識していきたいと思います。 (2018年11月17日 16時) (レス) id: 1abb178aa1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為なので。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2018年11月8日 23時) (レス) id: 860a58c456 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:manapanda3 | 作成日時:2018年11月8日 6時

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