申の刻：穏やかな昼下がりと甘美な菓子を ページ29
「ふぁあ…っ！」
「こら主、口元ぐらい隠さないと」
朗らかな陽だまりのおかげで、睡眠不足の私の身体はしつこくに夢の世界に誘われていた。
大きく伸びをし、これまた大きく口を開けて欠伸をした私を兼定がたしなめた。
まあ確かに、口元を隠すのはマナーだからね。
でも本当に気持ちがいい。今日縁側で昼寝をしたら最高だろう。
「ごめんごめん。ねぇ兼定。今日の仕事はもう終わったし、天気もいいし昼寝してもいいかな？」
「確かに今日は気持ちのいい天気だね…。いいよ。申の初刻になったら起こしてあげよう」
「申の初刻…15時だね。わかった。よろしくね？」
「ああ、お休み主」
許可を貰ったので日がよく当たる場所に移動し横になる。
目を瞑るとすぐに私の意識は落ちていく。
意識が完全に落ちる直前、兼定の声が聞こえた。
これは…唄…。ああ、唄を詠んでいるのか…。
あまり唄には詳しくないんだよな…。
でも…心地の良い響きだね…。
起きたら、どんな唄なのか教えてもらおう。
そこで私の意識は完全に落ちた。
✼✼✼
……。
…………。
なんだろ、これは…本丸…？
あ、清光がいる。ここは…、厨かな。
何してるんだろ…楽しそうだ。もっと近くで見たいな…。
ここは木の上かな…？私なんでこんな所から…。
…もしかしてこれって、あの妖精が見ている景色…？
厚も前に夢を見ていたと…。
あ、清光がおぼんもってる。
こっちに、来る…。
✼✼✼
「…清光？」
「そうだよー。起きたんなら菓子食べる？」
目を覚ますと目の前に清光がいた。夢でみたあのおぼんを持っている。
「おや、それは君が作ったのかい？」
「そうだよ。厚に味見してもらってオッケーも貰った」
起き上がりおぼんの上を見ると、美味しそうなケーキと…。
「ラテアートじゃん…！」
「えへへ。可愛くするなら、こういう所にも気を遣いたいな〜って思って。どお？ケッコー俺うまくない？」
上手い。きれいな小さなハートがいくつも浮かんでいる。
「すごいね清光！めちゃくちゃ可愛く出来てるよ」
そう言いながらカップを受け取り、お礼を言ってから口に含んだ。味もいい。
「ふむ、このけーきとやらも良いものだね…」
…清光ってこんな上手かったっけ…？あんまり料理系得意じゃなかったような…。
「やー、やっぱレシピってのがあると楽だよね〜。適量って言われてもさっぱりだもん」
「確かに。分量や手順があれば分かりやすいが、大雑把なものは難しいものだ」
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まなみ(プロフ) - みゆさん» 了解致しやしたああああああああああああ！← (2018年11月4日 15時) (
レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 続き待ってますううううううううう！← (2018年11月4日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - ユユユさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです！ (2018年11月1日 6時) (レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - すごく面白いです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2018年11月1日 5時) (レス) id: f0e41eea19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：○●まなみ●○ | 作成日時：2018年9月20日 22時
