巳の刻；それでもその優しさが ページ22
｢あっ、清光じゃん｣
｢ん、差し入れ持ってきたよー｣
おやおや、清光はお肌に悪いからって早々に布団に入ってたはず……、
というかそれ以前にその差し入れって……、
｢コーヒーじゃん｣
｢こーひー？…とは…｣
｢あー、こんのすけもそうよんでたような…｣
そっか、コーヒーが日本で普及したのは明治に入ってからだから、兼定はもちろん、清光もわからないのか。
なんでコーヒーがあったのか謎だったけど、こんのすけが用意してくれたのね。
｢なんか、人間は眠気を覚ますときに、このコーヒーってのを飲むってこんのすけが教えてくれたんだ。教わりながらだけど、淹れてみたよ｣
｢ふむ。だが君は先に床に入っていなかったか？｣
｢え？…あーまあ、主たちほっといて先に寝るのも…ね。そういう書類仕事は俺無理だけど、こういうことぐらいなら…してあげられるかな、って思って｣
頬をかきながら伏し目がちに話す清光の表情は少し赤くて、照れてるようにも見えた。
………ふふ、かわいい。
｢ありがとう清光｣
はにかみながら渡されたカップをもち、少し机から離れた。
のが、正解だった。
ゴクッ
｢…っ！？ゴホッ！！｣
ウルトラ苦い！！
はっきり言うとクソまずい！！
超濃く抽出されてる。なんか、舌がイガイガする…。
｢だっ、大丈夫主！！？どうしたの！？｣
｢…ん、だ…大丈夫だよ。ちょっと変なとこ入っちゃって……｣
いや、予想できただろう。素人が入れたんだ。そりゃこうなるに決まっているさ。
仕方ない仕方ない。
｢そっか。…もーびっくりさせないでよね｣
｢ごめん…｣
｢んじゃあこっちは歌仙のね。ほうじ茶だよ｣
｢ああ、ありがたく頂くよ｣
……頑張って飲むか……。
ゴクッ ゴクッ
うう、にが＿
｢ゴッホッゴホッ！！｣
あれ、兼定がむせてるぞ…。
｢どうしたの兼定？大丈夫？｣
｢…ッ、し、渋い…かな……｣
あっ、お茶もだめでしたか。
｢あ…ご、ごめん歌仙！お、おれ…。……っ！｣
兼定のまわりであたふたとしていた清光がハッとしたように私の方を見た。
さっきの嘘バレたか？
｢も、もしかしてさっきの……｣
ゴクッ
｢なにが？｣
｢え、あの…うまくできなかったんじゃ…｣
不安そうな清光になるべく優しい声で語りかける。
｢そんなことないよ。コーヒーってね、凄く難しくて、大変なんだよ。一人前になるのに８０年はくだらない｣
｢は、８０年…｣
｢そ。だから、素人に大事なのはね、気持ちなんだよ｣
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まなみ(プロフ) - みゆさん» 了解致しやしたああああああああああああ！← (2018年11月4日 15時) (
レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 続き待ってますううううううううう！← (2018年11月4日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - ユユユさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです！ (2018年11月1日 6時) (レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - すごく面白いです！更新頑張って下さい。応援してます！ (2018年11月1日 5時) (レス) id: f0e41eea19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：○●まなみ●○ | 作成日時：2018年9月20日 22時
