Pied Piper

sound 38 ページ38

you side







私達の間を、夜風が通り抜ける








JH「…A…」








風に乗って聞こえてきた彼の声。



答えが分かりきっていても、私の心は何故か穏やかだ。









JH「僕言ったよね、君とは恋人になれないって」

「…はい、知ってます」









彼の方は歩いて行く。









「伝えるだけならいいでしょ？」

JH「っ、」









ただ伝えたかった。

私の口から。









JH「……困ったな…」

「え？」

JH「ううん、なんでもない、」









彼が私の横にきて歩く。


これだけで幸せ









家に帰ってきて、お風呂に入って寝る準備をする









JH「じゃあおやすみ、」









彼は変わらず、私の額にキスをした









「あの、」

JH「ん？」

「毎日なんでおでこにキスするんですか？」

JH「特に意味はないよ、」

「そっか…」

JH「もう寝な、疲れたでしょ、」









そう言って頭を優しく撫でてくれた









「…あなたを忘れたくない」

JH「っ、」









ふいにでた言葉だった









JH「…もう寝ないと」

「あなたを忘れない方法は、ありますか？」









だんだんと眠くなる意識の中で、

彼の苦しそうな顔とともに聞こえてきた言葉









JH「……ない…よ」

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