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#148 ページ48

亜嵐 side

全て分かってる。

僕は、全てを分かってる

亜『玲於、どうして裏切った』

玲『亜嵐くん…目を覚ましてよ…』

亜『玲於だけは僕を愛してくれてると思ってたのに…』

玲『グハッ…』

目の前でアザだらけになる玲於。

唯一信頼していた玲於が、Aを逃がそうとした。

玲『もう…Aを自由にしてやれ』

亜「何を言ってる？
Aを傷つけないためにここで守ってるのに』

玲『亜嵐さんのくんの愛は…ただの狂った独占欲だ…ああっ！』

亜『それ以上…何も言うな…』

倒れ込んだ玲於の元へしゃがみこむ

亜『計画を取り消すと言え』

玲『俺の手で閉じ込めた鳥だっ…俺の手で逃がしてやる』

亜『…もうお前とは分かり合えそうにない…』

立ち上がって、睡眠薬を取る

亜『…もう消えてくれ』

玲『んんっ…』

自分の口に含んで力の入らない玲於の唇に
自分の唇を押し当て、液を流し込む

玲『かはっ…っ、げほっ…げほっ…』

亜『向こうに家は用意してある。
あとは自分で生きていけ』

玲『亜嵐…く…ん…』

亜『もう二度と、戻ってくるな』

玲於が眠ったのを確認すると、
頼んでいた車に乗せ、彼を海外に追いやった。

そして、Aを優しく優しく抱いて、
最後に深い印象を刻んだ。

慎「本当に行かせてよかったのかな…」

北「もう一日経つ…」

龍「きっと明日には戻ってくる…やんな」

壱「…早くAに触れたい…」

亜「大丈夫。ちゃんと帰ってくるから」

皆はほんとうに玲於が自分の意思で海外に行ったと思ってる。

さすが僕が育てた子。

純粋で、疑うことを知らない。

Aが出て行って3日がたった

亜「…そろそろかな」

あぁ…Aの足音がここまで聞こえる。

僕達を求めて走る靴音が…。

なんて言ってあげようかな、

突き放したらどんな顔をするかな。
絶望して、足にすがりついてくるかも…笑

あの男はどんな気持ちになるのかな。

朝起きて、自分が捨てられてるなんて…笑

あぁ…早く、早く

帰っておいで

ｶﾞﾁｬｯ

あぁ…愛しい音。

「っ…亜嵐さんっ…！」

だから言ったろ？

君はもう逃げられないって。

亜「おかえり」

君はずっと僕達のものだよ

fin.