この想い届けば

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玉森side

今日も俺はマネージャーの目を盗んでガヤがいる病室へと足を運ぶ

あの日から１週間たつが頭を強く打っているせいか、まだ1度も目を覚ましていない

ベットの近くの椅子に座る

「ガヤ、おはよう。」

問いかけても返事が返ってくることはない

もう2度と目を覚まさないのかな

布団から出ているガヤの手を握る

ガヤの体温が伝わってきて、ちゃんと生きてる、って実感出来る

「...今日はミツとニカとマネージャーが来るって。
良かったね、ガヤ。」

ガヤが入院してから１日に誰かは必ず病院に来るようにしている
とか、言いながら俺は毎日こうやって朝ガヤに会いに来ているけどね

だらだらと1人で喋っているとそろそろ行かないといけない時間になっていた

「じゃあ、ガヤ行ってくるね。」

握っていた手を離し重い足取りで病室のドアを開ける

ガヤに話しかけている時間が俺が唯一本当の自分でいられる

ここから出たらそんな時間も終わってしまう

だけど、俺が頑張らなくちゃ、俺が耐えなくちゃ

扉を閉め、呼吸を整える





「ダメじゃないか、こっそり家を抜け出すなんて。」

声のした方を向くとそこには、内藤さんが立っていた

「なんで貴方がここにいるんですか。」

「いいだろう別に。朝からそんなに俺と会うのが嫌か？」

不気味に笑いながら近寄ってくる

「今日は18時には終わるんだよね。久々にゆっくり2人の時間過ごせるね。」

内藤さんが俺の頬を撫でる

「今日は都内のホテルの最上階を取っておいたよ。仕事が終わったらすぐに来るんだよ？来なかったらどうなるか、わかってるよね？」

そう言いながら俺の耳元に顔を寄せ言った

「ね、裕太？」




前は大人数で俺を痛めつけてから組み敷いていた
殴ったとバレないように見える範囲には暴力を振るってこなかった

だけど、ガヤとミツとお酒を飲んだ次の日から大人数ではなく、内藤さん1人で俺を抱くようになっていった

それも前みたいに荒々しくするのではなく、まるで恋人を扱うかのようにホテルで俺を朝まで抱いていた

そして、キスマイの身に起こっている数々の事故は全て内藤さんの仕業だ

もう止めてくれと頼んだ、が
「裕太が俺の言う事を聞いてくれていればそれだけでいいんだよ。全て裕太のせいなんだよ？」
そう言われた


俺が耐えればいいだけなんだ
そしたら、キスマイを守れる

もうこれ以上皆を傷つけなくて済むんだ


俺はこれからも内藤さんの"人形"でいなきゃ

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