この想い届けば

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藤ヶ谷side

ニカと北山の出来事を境に俺達の日々が変わっていった


まるで何かのカウントダウンを告げるかのように



次の被害にあったのは渉と健永だった

その日は舞祭組での収録を終え、2人で渉の家で夕食を食べようとスーパーに寄った後帰り道を歩いていたところだったらしい

すると後ろから大型トラックが物凄い勢いで渉達目掛けて突っ込んできた

瞬時に危険を察知した渉が健永を抱きしめ細い路地裏に逃げ隠れた

トラックはブロック塀に衝突、そして何事も無かったかのようにどこかへ行ってしまった

渉の素早い判断力がなければ今頃２人共ニュースに取り上げられていただろう

またも大事に至らなくて良かった、と他人行儀で終わっていた


これだけでは終わらなかった





そして今回は俺が被害者となってしまった

PV撮影をスタジオで撮影していた時だった
俺達はフォーメンション確認をし一旦休憩をしようとステージから降りようとしていた

一瞬だけ何か鈍い音が聞こえたような気がした

けれど皆は聞こえていないようで談笑しながら降りている
気のせいかと俺も思いステージから降りようとした


すると、俺の数歩後ろにいた宮田の真上にあったカメラの機材が傾いていた

俺は勝手に体が動いていた






気付いた時には俺は機材の下敷きとなっていた


玉森side

ステージから降りた途端、頭を殴られるような鋭い音がスタジオ内に鳴り響いた



振り向けばガヤが血を流しながら機材の下敷きになっていた



メンバーそれぞれがガヤの名前を叫び機械を退けようと一目散に駆け寄っていった

悲鳴をあげる人、メンバーと一緒に機材を退けようとする人、救急車を呼ぶ人、色んな人がいた




でも、




「俺の、せいだ。」




ただ1人、俺はガヤの姿を漠然と眺めることしか出来なかった

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