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北山side
楽屋の扉を閉める。
「早く皆の前から消えたい…。こんな汚れた俺と居たら皆が汚れる…。」
耳をすませば玉の声が、ココロの声が聞こえる。
本当は玉が楽屋に入ってきた時から起きてた。
始めは寝てるフリをして玉と藤ヶ谷の話を聞いていたけど、だんだん言い争いになって遂には藤ヶ谷か殴りかかろうとしていたから止めたけど。
藤ヶ谷の言う通りだ。
俺らは玉の事をずっと心配している。玉と関わりあいのある先輩や後輩、友人にも何か知らないか聞いたほどだ。だけど、誰も何も分からなかった。
もう後は玉本人の口から聞くしかないのに…。
玉はいつも1人で解決しようと悩んで抱えて自分を追い込もうとする。そんな時、俺達は玉を支えてあげたい。助けてやりたい。
今回もあいつは溜め込んで苦しんで、自分が悪いなんて言っている。
今あいつのココロが壊れかけている。
早く助けてやらなくちゃ________
.
.
3人の撮影が終わり早々と廊下を歩く玉を見ながら、遅れて藤ヶ谷と並んで歩く。
「ちょっとは落ち着いたか?」
「…落ち着くわけねーよ。」
だよなー。お前の顔見れば分かるよ俺だって。
「よしっ!飯行こうぜ!」
「…北山と?」
おいおい。そんなに驚くことじゃねーだろよ藤ヶ谷さんよ。
「玉も入れて3人でさ。マネにも確認済み出し。いいだろ?」
「……あぁ。」
お前も謝りたいんだろ?玉と話したいんだろ?助けてやりたいんだろ?
それなら行動に移さねーと。
楽屋の扉を開けようと手をかけると、
「北山、ありがと。」
小さな声が聞こえた。俺はそれに少し微笑んでやった。
扉を開けると玉が着替え終わっていた。
…この時もう少し早くに楽屋に入っておけば良かったと後悔することになるのは後の話。
「玉、飯行くぞ。」
「え、…俺はいいよ!この後も仕事あるしね!」
「ないって言ってたけど、マネ。そんなに俺らが嫌か?」
「藤ヶ谷、止めろって。…俺は玉ちゃんと藤ヶ谷と一緒に食べたいんだ。だめか?」
俺のこの"玉ちゃん"呼びにはめっきり弱いはずだから。
「……。ん、分かったよ、行く。」
「おっしゃ!なんなら俺ん家で飲もうぜ!」
「それもいいな。な、玉。」
「…そうだね。」
玉のココロの声を聞きたい。その為なら俺は玉ちゃんの為に一肌脱いでやる。
.
.
俺のこの選択肢は間違っていたのか?玉を苦しめるだけの時間に過ぎなかったのか?
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萩蘭(プロフ) - コメント失礼します!とても見やすいです。見にくいと思ったことはありません。これからも応援しています!更新よろしくお願いします! (2017年4月3日 1時) (レス) id: 725e1ca99b (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - かおりさん» お久しぶりのコメントで舞い上がってしまいました笑ありがとうございます!更新頑張りますので、楽しみにしていて下さい! (2017年4月2日 22時) (レス) id: dda4185c4e (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 藤玉最高です!続き楽しみにしてます!! (2017年4月2日 20時) (レス) id: bfe6691d20 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 大学いもさん» コメントありがとうございます!続きお楽しみにしてて下さいね。私も藤玉大好きです♪更新頑張ります! (2016年12月4日 16時) (レス) id: dda4185c4e (このIDを非表示/違反報告)
大学いも - めっちゃおもしろいです。これから玉は、どうなるなるんだろ・・・。楽しみです。藤玉がとっても大好きなので早く続きがみたいです。更新頑張って下さい♪ (2016年11月30日 20時) (レス) id: 67f41098ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるごん | 作成日時:2016年7月6日 14時