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藤ヶ谷side
渉と別れてから15分後、宮田の待つお店に着いた。
店内に入ると、スペースごとに仕切りがされてあったが、まだ混む時間では無かったようですぐに宮田を見つけることが出来た。
「宮田。遅れてごめん」
「ガヤさん、大丈夫だよ。そっち座って。」
テーブルにはまだ何もなかったから、俺が来るのを待っていたみたいだった。
「何か頼もう。お腹も減ってるだろ?」
「あ、..うん。」
俺達は適当に頼み、終始無言で待っていた。
すると、宮田が話し出した。
「ガヤさん、玉のことなんだけど...。」
「何か知っているのか?」
すると、宮田が頷いた。
「玉のこと、教えてくれ!何でもいいから!」
俺は焦っていた。
どうしてあの時連絡も無しに突然姿を消したのか。
どうして震えていたのか。
何に怯えているのか。
「ガヤさんは、玉の事どう思ってるの?」
「え、どうって。」
「玉の事、ただのメンバーとして好き?それとも、恋愛の意味で好きなの?」
「俺は...、メンバーとしてもひとりの人間としても玉の事が好きだ。」
「...本当に?信じてもいいんだよね。」
「ああ、信じてくれ。大切な人なんだ。」
宮田は俯くと意を決して話してくれた。
「玉は、俺の推測でしかないけど、……誰かに痛めつけられてると思うんだ。」
「っ!誰だよ!宮田!」
「まだ分からないけど、事務所の関係者かなって思ってる。」
俺達の身近にいる人...。
でも、
「なんで、そんな事分かったんだ?誰かから聞いたとか?」
「...いや、玉の行動をずっと見てたんだ。」
「最近ずっとおかしかったでしょ。だから、気付かれないように見てた。
そしたら、いつも決まって電話が掛かってくるんだよ。玉は出るんだけど、苦痛そうだった。1回玉に聞いてみたんだけど、」
「玉はなんて?」
「...俺は大丈夫、大丈夫だから、って。」
最近よく耳にする言葉。
“俺は大丈夫、大丈夫だから。”
まるで、自分に唱えているような。
「それは、いつからなんだ?」
「はっきりとは分からないけど、たぶんガヤさんから電話が掛かってきた日ぐらいからじゃないかな。」
俺が玉に告白しようとした日だ。
「あの日ぐらいから玉、おかしいでしょ。」
「俺、その日玉に告白する予定だったんだ。」
「ガヤさん...。」
なのに、俺は玉に裏切られたと思って玉を傷つけてしまった。
あの時既に玉は俺にSOSを出していた。
あの涙が。
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萩蘭(プロフ) - コメント失礼します!とても見やすいです。見にくいと思ったことはありません。これからも応援しています!更新よろしくお願いします! (2017年4月3日 1時) (レス) id: 725e1ca99b (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - かおりさん» お久しぶりのコメントで舞い上がってしまいました笑ありがとうございます!更新頑張りますので、楽しみにしていて下さい! (2017年4月2日 22時) (レス) id: dda4185c4e (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 藤玉最高です!続き楽しみにしてます!! (2017年4月2日 20時) (レス) id: bfe6691d20 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 大学いもさん» コメントありがとうございます!続きお楽しみにしてて下さいね。私も藤玉大好きです♪更新頑張ります! (2016年12月4日 16時) (レス) id: dda4185c4e (このIDを非表示/違反報告)
大学いも - めっちゃおもしろいです。これから玉は、どうなるなるんだろ・・・。楽しみです。藤玉がとっても大好きなので早く続きがみたいです。更新頑張って下さい♪ (2016年11月30日 20時) (レス) id: 67f41098ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるごん | 作成日時:2016年7月6日 14時