1つ目のアプローチ 2 ページ7
チャイムが鳴ってから5分と経ったが、未だに誰も現れず、だんだんと不安になってきた。
…私は教室を間違えたのだろうか？
いやいや、そんなはずはない。
この机に青いファイルが入っていたんだから、教室は間違いない。
…今日は休日だっただろうか。
今日は火曜日だ。
スマホのカレンダーを確認しても、祝日を表すマークはついていなかった。
一体どうなっているんだ。
私は一晩寝ている間に、別の世界線にでも行ってしまったのだろうか。
そこまで考えたところで、こちらに近づいてくる足音が聞こえた。
それだけで、私は不安な気持ちから少し解放された。
教室に入ってきたのは五条先生だった。
遅れてきたのを謝るわけでもなく、平然としていた。
今日はA1人だね、と言いながら授業を始めようとするので、恵くんはどうしたんですか？とあくまで平静を装いながら聞いた。
五条先生はさも当然とも言うように、え？任務だけど？と言ってのけた。
さらに、聞いてないの？と追い討ちをかけてきたので私は言葉に詰まった。
少し迷ったが、昨日はあれから恵くんとはほとんど何も話していないことを正直に話してみた。
五条先生は、恵は人見知りするタイプだから気にしなくていいよと言ってくれたが、私は引き下がらなかった。
たった1人の同期なのだ。このまま任務などですれ違う日々が続けば、目標達成どころかコンビニに一緒に行くこともできない。
私は再度机に手を突っ込み、青いファイルからルーズリーフを取り出して、ズイッと聞こえそうなくらいの勢いで五条先生に差し出した。
突然の私の行動に呆気に取られたのか、五条先生の潤いを帯びた唇は半開きになっていた。
そしてゆっくりと私が差し出したルーズリーフを手に取り、カサカサと音をさせながら開いた。
内容を見た五条先生の第一声は「何コレ？」だった。
私は五条先生にことの成り行きを説明した。
私は恵くんに名前で呼んでもらえるくらい仲良くなりたいこと、その為に作戦を立てたこと、その作戦実行の初日が今日であったこと。
五条先生は私の話を聞き終えた後、さも面白いものを見つけた子どものように口元だけでニヤリと微笑み(そもそも目元は黒い目隠しで見えないのだが)、ドンッと音が聞こえそうなくらい自分の胸を大きく叩いた。
「そういうことなら！僕にまっかせなさーい！！」
こうして私の「恵くんと仲良くなる大作戦」はメンバーが1人増えたのであった。
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ユリ.(プロフ) - ひなりーズさん» ジャジャジャーン！（笑）こちらにもいらっさいませ(^^)しばらく更新止まってたんですが、あっちがひと段落したのでぼちぼち書いてます♪ありがとうございます☆私もひなりーズさんの小説見つけちゃった☆またコメントしに行きますねっ！！ (2021年6月20日 15時) (
レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひなりーズ - 呼ばれてないし！飛び出てもないけど！ジャジャジャジャーン！！ お久しぶりぶりです!私ですよ!私!←私私詐欺 オススメに出てきて、好きだなぁと思って作者さんの名前をみるとまさかのユリ.さんでビビりました。好きです!応援させてもらいます! (2021年6月20日 13時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ． | 作成日時：2021年4月7日 9時
