2つ目のアプローチ 6 ページ17
笑い声の主は補助監督だった。
「すみません…なんかコント見てるみたいで。仲良いですね。」
【仲良いですね】
頭の中でその言葉だけがピックアップされ、自分の中にじわじわと染み込んでいくようだった。
私たち、仲良さそうに見えるんだ。
嬉しい、今日一嬉しい。
ニヤニヤと緩まる頬を押さえていると、恵くんが口を開いた。
「いや、コイツが馬鹿なだけです。仲良いとかじゃありません。」
『照れるなよ。』
「照れてねぇ。ていうか口調変わりすぎだろ。」
補助監督はさらにクスクスと笑う。
「もういいか?注文するんで、店員呼びますよ。」
呆れたように呼び出しボタンを押す恵くんは、テキパキと自分と私と補助監督の注文を店員に伝えた。
その後は適度に話をしながらご飯を食べて、補助監督の運転する車で高専へと帰り、それぞれ自室へと帰った。
部屋に入って、すぐにベッドにダイブした。
今日はなんだかとても進展した気がする。
2つの目アプローチ、【たくさん一緒に出掛ける】に挙げていた「ファミレス」を達成した。
2人きりではなかったが、達成は達成だ。
この調子なら、なんだかどんどんいけそうな気がする。
硝子さんのところに行くのは明日でいいや、重くなる瞼に耐えきれず、ゆっくりと意識を手放した。
*
*
朝までぐっすり寝た私は、シワシワになった制服と、五条先生の「報告まだ?なんか恵から怪我したって聞いたけど。ちゃんと硝子のとこ行ったよね?あと僕の粋な計らい、感謝してよね!」というメッセージに少し青くなった。
報告はまた今度直接します!怪我は…まあ大丈夫です。粋な計らいとは…?という返信メッセージを打ったところで、もう1件メッセージが来ていることに気がついた。
メッセージの主は、なんと恵くんだった。
LINEを交換した覚えはない。
いや、交換したかったけど、タイミングがなくて言い出せなかった。
ドキドキしながらメッセージを開く。
伏黒です。
怪我大丈夫か?硝子さんのとこいったのか?
絵文字も顔文字も何もないシンプルな文面で、いかにも恵くんらしかった。
たったそれだけのメッセージで、胸がどくどくと脈打つのが分かる。
自分は今生きていて、恵くんに恋しているんだと、改めて感じた。
とりあえずシャワーを浴びなければ。
小さくスキップをしながら、私は浴室へと向かった。
頭の中でなんて返信しようかな、と考えながら。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←2つ目のアプローチ 5
78人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリ.(プロフ) - ひなりーズさん» ジャジャジャーン!(笑)こちらにもいらっさいませ(^^)しばらく更新止まってたんですが、あっちがひと段落したのでぼちぼち書いてます♪ありがとうございます☆私もひなりーズさんの小説見つけちゃった☆またコメントしに行きますねっ!! (2021年6月20日 15時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひなりーズ - 呼ばれてないし!飛び出てもないけど!ジャジャジャジャーン!! お久しぶりぶりです!私ですよ!私!←私私詐欺 オススメに出てきて、好きだなぁと思って作者さんの名前をみるとまさかのユリ.さんでビビりました。好きです!応援させてもらいます! (2021年6月20日 13時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユリ. | 作成日時:2021年4月7日 9時