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クッキーは何度も作ったことがあるので、レシピを見なくても作れる。
ガトーショコラは昔作って美味しかったレシピを引っ張り出してきた。
…これ、五条先生にあげるんだよな。
何が悲しくてフラれた相手にケーキあげるんだよ。
最悪、自分で食べちゃおうかな。
そんなことを考えながら、黙々とケーキを作る。
完成したのは小さめの1ホールのガトーショコラだった。
焼き加減も我ながら完璧だったと思う。
粉糖をふると、余計に美味しそうに見える。
…これをあげるのか。
なんか悔しいなあ。
どうせならなんか仕掛けたいなぁ。
そう思ってクッキーを1枚手に取り、湯煎で溶かしたチョコで気の赴くままにあるものを書いた。
まぁこれぐらいは許されるだろう、出来栄えに満足しながら冷めるのを待って、ラッピングを施した。
クッキーも全員分、枚数が均等になるように気をつけてラッピングした。
丁寧にラッピングされたお菓子を見ていると、やりきった感でいっぱいになった。
私、意外と元気だ、大丈夫。
ちゃんと笑顔でさよならできる。
自分に言い聞かせるようにしながら、台所用品を段ボールに詰めていった。
*
*
「Aさん、本当に京都帰っちゃうんですか?」
野薔薇ちゃんが私の腕を掴み、目に涙を浮かべながら言う。
「やめろ、Aさんを困らすな。」
それを優しく引き剥がすように言う、真希ちゃん。
「関西方面に任務で行くことがあったら、美澄先輩に会いに行くからな!」
ニカっと笑顔で嬉しいことを言ってくれる虎杖くん。
「…いや、関西方面の任務は京都校の奴らが行くだろ。俺らはそうそう行くことねぇよ。」
いつも冷静な伏黒くんは、ここでも冷静だ。
「体調に気を付けろよ、京都は夏は暑いし、冬は寒いんだろ。」
何歳なのか分からないけど、妙に貫禄のあるパンダくん。
「しゃけしゃけ。」
単語2つだけだけど、優しい目でこちらを見てくれる狗巻くん。
「本当、美澄が来てくれて助かったよ。ありがとうな。」
少しだけ隈がマシな礁子さん。
「…あれ?五条先生はどこに行ったの?」
昨日海外任務から帰ってきた乙骨くん。
本当にギリギリで会えた。
会った瞬間に別れが訪れるとは。
「今日はみんなで美澄先輩お見送りするって連絡してたんだけどさ、既読もつかないの!電話にも出ねぇし!」
虎杖くんがスマホを見ながら少し怒っている。
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夢花(プロフ) - ユリ.さん» ふふふwwwそうなんですかwwwこれぞ小説のちか(((殴 メタメタァ (2021年5月7日 9時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 夢花さん» マジで息できないですよね。(笑)終わった後息も絶え絶えになりますもんね!夢主ちゃんも呼吸困難になったと思いますが、ここで死なせてもアレなのでちゃんと息できたことにしてます。(笑) (2021年5月7日 7時) (レス) id: c519aef02a (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 普通にこしょこしょは死人でますよ?だって息できないもん{笑ってるから}(・_・) (2021年5月6日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 陽菜月さん» 口から心臓はやばい!(笑)しまってしまって〜(笑)もう少し待っててくだされな!まだ本調子になれず…(;_;) (2021年4月16日 6時) (レス) id: 5035154a58 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜月 - もう、続きをワックワック胸を踊らせながら待ってます!!(ワックワック!んあ!?ワクワクしすぎて口から心臓が!?グロイ!) (2021年4月15日 22時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年4月2日 20時