十三話 ページ15
うそだ。
うそだうそだ。
嘘だ嘘だ嘘だ!
だって、俺はあの日確かに聞いた!
藍月が電話に向かって好きだって言うのを!
俺は気付かないって笑ってたのを!
なのに、藍月は俺が好き?
絶対嘘だ!
でも、なんで今嘘を?
俺とまた話したいから?
俺が居ないのが嫌だから?
違う。今のは俺の願望だ。
ならなんで?
藍「賢い頭で、答えは出たか?」
『...分かんないよ。なんでいきなり!』
藍「いきなりじゃねぇよ」
『は?』
藍「好きでもなきゃ、あんなことしてる男毎回家に泊めるかよ。毎日一緒に飯食って、毎回一緒に課題やって、毎日同じような話しして。残念だけど、俺は好きでもない奴にここまで付き合えるほど優しくない」
『それ...って』
藍「確かに俺のやり方も回りくどかったとは思うが、お前も相当だぞ」
『え?』
藍「言ってて気づいた。お前、あれわざとだったんだな」
バレた。
気付いてくれた。
遂にバレた。
ようやく気付いてくれた。
あーあ、ほんと俺ってバカ。
『...あぁそうだよわざとだよ!お前に気付いてほしかったんだ!でも直接伝える勇気はないから、わざとお前に見えるところで恋人作ってたんだよ!』
藍「...ほんっと」
あぁ、呆れられた
藍「可愛いことするな」
『はぁ!?』
藍「いつからだ?俺のこと意識し始めたの」
『...中一』
藍「そっか。ちなみに俺は小学校から」
『はぁあ!?』
藍「さて、もう気は済んだか?疑う材料もそろそろないだろ。諦めて、俺の物になれよ」
『...待った』
藍「何?」
『お前が一番良く知ってると思うけど、俺には特殊な性癖がある』
藍「そうだな」
『お前はいっつも、俺には分かんないって言ってた』
藍「あぁそれな。俺には、"されたい願望"は、分かんないんだよ」
『・・・え?』
藍「物理的にも精神的にも縛られるってのはなんか違う感じがするんだよな。だから拘束されたいとか束縛されたいとかは思わない。ただ...」
『...ただ?』
藍「してみたい。とは思うけどな」
『...マジ?』
藍「マジ。だからさっさと、俺の物になってくれよ。A」
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作者名:ストーリーテラー | 作成日時:2023年3月27日 22時