虹村と幼なじみの恋物語【最強女主】Part10

恋物語514 ページ38

.









貴「これ……読みたいの？」


？「！」









.









.









.









.









.









前にも言ってあげた言葉









.









.









.









.









またそいつは空の青を白で薄めたような色をした髪をゆらゆらと揺らしながら、また届きそうにもない本をつま先で立って一生懸命取ろうとしていた。



あっ…でも前に助けてあげた時よりも、もっと上の棚に手を伸ばしている。やっぱ凄えな…男子の成長って。



女子は男子より早く成長したって、中学生となれば、いとも容易く男子に負ける。俺も男子だったら、今よりも身長が伸びていたのかな。



そんなことを頭の中で考えながら、そいつが手を伸ばしている本へと手を伸ばした。つま先立ちはしていないが、俺も普通に手を伸ばして本を取るのは、この棚がギリギリだ…



俺に気付いたそいつは、驚いたようにこちらを振り向いた。そりゃそうだよな、今は皆授業受けてるってのに人がいるってなると。



綺麗な水晶のような瞳…



そのまん丸い瞳をこちらに向けたそいつは、俺の姿をその瞳に映すなり目を見開いた。



水晶のような瞳が揺れる…



その瞳に映る俺が自分にもしっかりと見えた。汚れを知らない綺麗な瞳。あの頃と変わらない純粋な瞳だ…



そいつは驚きながらもやっと…



口を開いた…









.









.









.









.









.









.









.









.









.









.









黒子「………白……咲さ……っ…」









.









.









.









貴「卒業式以来だな……黒子。」









.









.









.









.









.









.









.









.









.









俺が帝光中学校に来た目的…



それは…



黒子に会うことだった。



これからのことを…



"託す"べく…

恋物語515→←恋物語513〈予兆、光と影〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す