1人だけ ページ42
京治は泣きたいと言った。
｢どうしたの、｣
赤葦｢俺の勝手な妄想だから大丈夫｣
｢気になる、言ってよ｣
赤葦｢…黒尾さんに取られたくない｣
｢そんなことあるわけないじゃん｣
赤葦｢分かってるよ、｣
涙が滲んだ瞳を見て思わず抱きしめる。
｢京治の事しか考えてないよ｣
赤葦｢A…｣
｢京治モテるから余裕ないの｣
赤葦｢俺モテないよ、｣
｢本当に？明日光太郎に聞くよ？｣
赤葦｢それはやめて欲しいかな、｣
｢やっぱりモテるじゃん…｣
赤葦｢みんなジャージの子みたいな感じだよ｣
｢ふーん。｣
抱きしめてた手を離し、向き合うと腕を引かれ
彼の上に座らされる。
赤葦｢わがまま聞いてくれる？｣
｢うん、｣
赤葦｢このまましばらく居ていい？｣
｢お風呂呼びに来るまでならね｣
返事をするなり京治は私の腰に手を回して
ギュッと抱きしめた。
赤葦｢どうしよう…めっちゃ好き｣
｢今更？笑｣
赤葦｢もっと好きになった｣
｢私も前よりもっと好きになった｣
赤葦｢まあ俺の一目惚れから始まったんだけどね｣
｢私もある意味一目惚れだよ｣
赤葦｢本当にあの時、人に見られてるとは思ってなくてめちゃめちゃ恥ずかしかった｣
｢あの時本当に好きだなあって思っちゃった｣
赤葦｢俺は木兎さんの事見に来たと思って練習してたけどね｣
｢目合ったのに？｣
赤葦｢うん、たまたまかなって｣
｢京治って鈍感だよね｣
赤葦｢そうかな？｣
｢うん｣
何だか京治の体温が心地よく感じて
ウトウトし始めた。
赤葦｢A眠い？｣
｢ちょっとだけ…｣
赤葦｢いいよ、俺の上で寝ても。｣
そう言いながら背中をトントン叩かれると
更に眠気が襲ってくる。
｢うん…ごめん…｣
赤葦｢…おやすみ。｣
目の前が真っ暗になって
そこからはよく覚えていない。
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作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
