おやすみの間 ページ43
ベッドに座る俺、とその上で眠るA。
静かな部屋に聞こえるのは
彼女の寝息と時計の秒針の音。
Aをベッドに寝かせて布団をかけ
床に座り込んでAを見つめた。
赤葦「迷惑かけてごめん」
おでこにキスをして首元に顔を埋める。
目を閉じると自然と涙が滲む。
自分を落ちつかせるかのように
寝ている彼女の頭を撫でる。
赤葦「信じてくれてありがとう、嬉しかった。」
って言っても寝ている彼女には
きっと聞こえていないのだろう。
身体を起こして涙を拭うと
部屋の扉をノックされた。
月島「入りますね、」
赤葦「うん、」
月島「赤葦さんの姉ちゃんにお風呂催促されたんで
先に入りました。すみません。」
赤葦「あぁ…全然構わないよ、」
月島「A、寝たんですね。」
覗き込んでAが寝てることを確認した月島は
そっと床に座った。
赤葦「さっき寝たばっかだよ、疲れてたんだね」
月島「赤葦さんも疲れてますね」
赤葦「そう見えるなら疲れてるのかも。」
月島「ちゃんと休んでくださいね。
…倒れられたら困るんで。」
赤葦「ありがとう、で、話があるんでしょ?」
月島「さっき、黒尾さんから電話が来て
向こうの様子とか聞いたんですけど…」
月島の表情が少しずつ曇っていく。
赤葦「けど??」
月島「なんか明日白鳥沢も来るって…」
青城と白鳥沢を鉢合わせにしてもいいのだろうかと
考えること0.5秒。
赤葦「終わった…」
ただでさえ木兎さんと黒尾さんがいるのに
それに加えて日向と影山と青城のメンバー
そこに白鳥沢が加わることで
青城のセッターと白鳥沢のスパイカーの
因縁の対決が始まってしまう。
月島「ですよね…僕も無理だと言ったんですけど
なんか監督たちが乗り気らしくて。」
赤葦「…A、白鳥沢に知り合い居るのかな」
ここまで来ると各高校に
最低でも1人は知り合いがいる計算になる。
だとすると少し楽な気もしてくる。
月島「うちは西谷さん、青城は3年生、
音駒は夜久さん(後日談で登場)、梟谷は木兎さん…
この勢いだとリベロですかね…」
赤葦「どうだろう…」
なんて確信のない会話をしていると
姉ちゃんが部屋に乱入してきた。
桜結「京、お風呂。姉ちゃん入ったからね。」
赤葦「うん、わかった。」
桜結「えっ、Aちゃんもう寝ちゃったの?」
赤葦「俺の体温ですぐ寝たよ」
桜結「疲れてたんだね、ちゃんと寝かせてね」
赤葦「うん、」
桜結「じゃあおやすみ。」
赤葦「おやすみ」
月島「おやすみなさい」
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時